米国の「核の傘」、東アジアを危険な局面から守れるのか―中国メディア

Record China    2013年2月20日(水) 10時33分

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19日、北朝鮮の3回目の核実験が引き起こした衝撃は依然続いている。国連安保理は対応措置について話し合っており、日韓で共に核兵器保有の声が上がり、オバマ米大統領は核の傘が有効であることを重ねて表明した。写真は韓国浦項沖で行われた韓国と米国の合同軍事演習。

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2013年2月19日、北朝鮮の3回目の核実験が引き起こした衝撃は依然続いている。国連安保理は対応措置について話し合っており、日韓で共に核兵器保有の声が上がり、オバマ米大統領は核の傘が有効であることを重ねて表明した。ロイター通信は北朝鮮が4回目の核実験を行う可能性があるとさえ報じている。人民日報海外版が伝えた。

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米国:核の傘を保障する

北朝鮮が3回目の核実験の成功を宣言して以来、米国は日韓両国を落ち着かせるために慌ただしく動いている。共同通信によると今月22日にワシントンで行われる日米首脳会談では、北朝鮮問題が優先的に話し合われる。米メディアによるとオバマ大統領は日本の安倍晋三首相との電話会談で、核の傘の提供を含む日本に対する安全保障の責任を強調した。これに先立ち、オバマ大統領は韓国の李明博大統領とも電話会談し、拡大抑止力を含む韓国に対する核の傘の約束を断固履行すると重ねて明言した。

「核の傘」政策は米国が同盟国と交した約束であり、同盟国が核攻撃または核攻撃の危険に直面した際、進攻国または進攻意図を持つ国に対して米国の核兵器によって報復を行うというものだ。日韓両国は共に米国の核の傘を受け入れている。

だが北朝鮮による3回目の核実験を前に、韓国はこれまで開いたことのないこの傘の有効性に疑問を抱き始めた。韓国の主流メディア・中央日報は論説で「北朝鮮の最新の核実験は韓国にとって現実的脅威だ」と指摘し、韓国は核兵器を保有すべきか、韓国が核の脅威にさらされた時に米国はしっかりと守ってくれるのかという疑問が生じているとした。

米国が日韓に核の傘の提供を重ねて表明したのには、両国を落ち着かせる以外に、両国によるいかなる核兵器保有の考えも支持しないということを伝える意図があると分析される。最近韓国は核廃棄物の再加工を米国に許可してもらえるよう韓米原子力協力協定の改定を望んでいる。米国が韓国側の提案を拒否したのは、韓国が核廃棄物を利用して核兵器製造に必要な濃縮ウランを抽出することを懸念したからだ。

■日韓:核兵器を保有したい

北朝鮮が3回目の核実験成功を宣言したことを受け、日韓両国内では核兵器保有の声が上がっている。韓国で核兵器保有の主張を最初に打ち出したのは与党セヌリ党だ。同党の黄祐呂代表は今月15日「韓国は核兵器を念頭に置いた対応メカニズムを定め、改めて韓朝間の軍事的均衡を図らなければならない」と表明した。鄭夢准前代表も上層部の合同会議で、自前の核抑止力を持つ必要性を訴えた。一部専門家からも、すぐに核兵器を保有せずとも、段階的な戦略をまとめる必要があるとの声が上がっている。だが韓国国防省報道官は「戦術核兵器の保有はまだ検討していない。北朝鮮に核計画を放棄させることが優先事項だからだ」と述べた。

日本でも核兵器保有の声が高まっている。日本は核兵器を保有すべきだと公に言明した幹部は複数いる。メディアにいたっては以前、匿名の幹部の話として「日本の現在の技術なら、長くともわずか半年で核兵器を製造できる」と報じた。

実際、米国の把握している情報は、日韓両国が過去に核兵器開発を秘密裏に検討したことがあることをはっきりと示している。日韓は共に10数基の商用原発を持っており、核兵器計画に十分な燃料を供給できる。2004年に国際原子力機関(IAEA)は、韓国の科学者がすでに数年前に核兵器に転用可能な少量の核分裂材料を抽出したと指摘した。日本はすでに1960年代に核兵器の研究を秘密裏に開始したことを暴かれている。

現在、韓国の李明博政権は使用済み核燃料棒の再処理解禁を目指し、韓米原子力協定の改定を米国に再三求めている。日本は平和憲法によって核兵器保有の権利を制約されているが、安倍首相はすでに平和憲法の改正、日本の交戦権を制限する第9条の廃止を国会に提案している。

■対話こそが正しい道

対朝制裁が日米韓共通の選択であることは間違いない。韓国メディアによると、韓国は今月25日の政権引継ぎ前に、日米と共同で独自の対朝制裁措置を定める可能性がある。また、NHKによると日本の参議院は今月15日、北朝鮮の核実験実施に対する実効性ある制裁の実施を日本政府に求める決議を全会一致で採択した。衆議院も今月14日、対朝制裁を政府に求める同様の決議を全会一致で採択した。

しかし、制裁一辺倒は有効なのか?

ワシントン・ポスト電子版の記事でさえ、米国は長年「アメとムチ」式の対朝政策をとってきたが、効果はごくわずかだと指摘した。「北朝鮮の核実験は、制裁と高圧的政策では朝鮮に言うことを聞かせることはできないという問題を示している」「北朝鮮核問題の鍵は北東情勢の不均衡にある。日韓は軍事力が弱くないうえ、米国の核の傘に守られている」との分析も多い。

専門家は「歴史が証明しているように、米国と韓国が北朝鮮に対して同時に『太陽政策』を実行していた時、朝鮮半島は多少緩和し、非核化実現について検討する条件が揃っていた。6カ国協議や対話メカニズムが主導的役割を発揮している時には情勢は緩和し、その反対の時にはエスカレートする。対話と協議こそが正しい道だ」と指摘する。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山

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