円安が金融戦争の幕開けに、中国への影響は?―中国メディア

Record China    2013年2月20日(水) 19時0分

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20日、このほどモスクワで閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会は、市場でホットな話題となっている金融戦争に関しては態度表明を避けた。資料写真。

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2013年2月20日、このほどモスクワで閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会は、市場でホットな話題となっている金融戦争に関しては態度表明を避けた。しかし日本などの為替操作政策の実施に伴い、世界範囲の為替操作の幕が切って落とされたといえる。円などの通貨の価値低下が中国にどのような影響を与えるかについて、市場から広く注目が集まっている。

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欧米諸国が量的緩和策を相次いで実施している。中でも日銀による「無制限」の金融緩和策を受け、一部の経済国による為替操作のすう勢が日増しに顕著になっている。データによると、米ドルは2月にやや持ち直したが、米ドル指数は昨年下半期より約84ポイントから80ポイントまで低下した。日本円の対米ドル・対人民元レートは、昨年9月から現在までに約17%下落した。円安の影響を受け、ウォンなど一部の国家の通貨も高騰している。通貨の価値低下の「ドミノ効果」が徐々に現れ始めた。

中国招商銀行の劉東亮(リウ・ドンリョン)・高級金融アナリストは、「現在の東アジアの金融情勢を金融戦争と呼ぶことはできないが、為替操作の競争がすでに表面化している」と指摘した。

先進国の相次ぐ為替操作が、輸出を主な原動力とする新興国に与える影響は言うまでもなく明らかだ。一部の発展途上国は、1930年代の保護主義的な貿易戦争の再演、流動性の氾濫が本国実体経済に衝撃を与えることを懸念している。先ほど閉幕したG20会議は、為替操作の競争を避けることで一致した。中国財政部の謝旭人(シエ・シューレン)部長もG20会議で、「先進国は財政調整・経済回復の関係を適切に処理し、短期的な経済成長を促すと同時に、中期的な財政の持続性を確保し、かつ量的緩和策による外部へのマイナス効果を低減するべきだ」と発言した。

中国社会科学院世界経済所国際投資室の張明副(ジャン・ミンフー)主任は、円安による影響は次の3つにまとめられるとした。(1)他国に相場上昇の圧力を及ぼし、為替相場を巡る戦争が発生し、貿易摩擦がエスカレートする可能性がある。(2)世界の短期的な資本流動の規模と変動性を拡大する。(3)世界のエネルギー資源・大口商品価格が高位を推移し、中国を含む国家に輸入インフレの圧力をもたらす。

中国国際金融有限公司(CICC)の彭文生(ポン・ウェンション)シニアエコノミストは、「人民元の対円レートが20%上昇すると、中国の実質実効為替レートを約1.5%引き上げ、中国の実質的な輸出額を2.5ポイント引き下げる可能性がある。しかし日中2国間貿易において、対日輸出の重要性がすでに大幅に低下しているため、円安が中国の輸出に与える負の影響も減少している」と分析した。

彭氏は、「中国の今年の対日輸出額は、最大で4ポイントの小幅減少が生じる。食品・飲料、動植物商品、木製品、紡績品などの一部業界に、比較的大きな影響が生じる。第3国への輸出について、円安は中国の印刷機械、自動車部品、テレビ、トランジスタの輸出を脅かす」と予想した。

貿易ルートへの影響の他に、日本の極端な金融緩和策は、クロスボーダーの資金移動により中国に影響を与える。しかし彭氏は、「円の地位は米ドルに遠く及ばず、また今回の日本の金融緩和は米国の規模を下回っているため、連邦準備理事会の量的緩和による影響を下回るだろう」と指摘した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山

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