Record China 2019年4月8日(月) 8時0分
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新浪網は、中国は新型爆撃機のH-20を配備しても、旧式のH-6を退役させないと論ずる記事を発表した。写真は航空自衛隊機が1日に撮影した、宮古海峡を通過する中国のH-6爆撃機。
中国は、外観が米軍のB-2ステルス爆撃機に似たH-20(轟-20)戦略爆撃機を開発中とされる。中国メディアの新浪網は2019年4月4日付で、第二次世界大戦後の爆撃機をめぐる状況を回顧しつつ、中国軍はH-20を配備しても旧式のH-6を退役させないと主張する記事を発表した。米軍が大型戦略爆撃機を使用し続けるのと同じ理由と主張した。
記事はまず、大型爆撃機は第二次世界大戦後に苦境に立たされたと紹介。爆撃機は味方戦闘機の護衛を受けつつ敵勢力圏に深く侵入して爆撃を行っていたが、中距離空対空ミサイルを装備した迎撃機、地上の防空レーダー網、防空ミサイル陣地などの防空体系が成熟するに伴い、従来式の強襲爆撃は自殺行為になった。
米軍のB-52爆撃機もベトナム戦争時、ベトナム空軍のMiG-21戦闘機とS-75防空ミサイルに大きな被害を受けたという。
その後、戦略爆撃機は二つの方向に分かれて進化した。一つは米国のB-1Bやソ連のTu-160に代表される方式で、ステルス性はある程度までだが超音速で敵の防衛を突破する能力に重点を置いたタイプだ。もう一つはB-2のようなタイプで、卓越したステルス性を生かして敵勢力圏に侵入して攻撃するタイプだ。
記事は爆撃機についての米国の推移について、冷戦時期も戦略爆撃機を放棄することはなかったと指摘。一つは、核攻撃という威嚇力を維持するためで、もう一つは弱小国に対する戦略兵器としては費用対効果が高かったからとした。
記事は、その後に長距離巡行ミサイルと精密な攻撃が可能な滑空能力を持つ爆弾が出現したことで、戦略爆撃機に「第2の春」が到来したと解説。大型戦略爆撃機の場合1機1回の出撃で、ミサイルや精密誘導爆弾が数十発と、戦術飛行部隊なら1個中隊に相当する量を搭載できることも魅力という。
射程が数百から千キロメートル程度の長距離ミサイルを巡行すれば、戦略爆撃機は敵の防空圏に入る前にミサイルを発射して引き返すことができる。つまり、戦略爆撃機の航続距離と合わせて、敵からはるかに離れた場所から出撃しての攻撃が可能になるという。
記事は、米国のB-1B爆撃機の場合、LASM対艦ミサイルを搭載して4機出撃すれば、艦載戦術機48機を出撃させたのと同じ攻撃力を発揮できると紹介した。
記事は自国のH-6K爆撃機について、改良を重ねたことで通常兵器ならYJ-12(鷹撃-12)対艦ミサイルやさらに新しいYJ-100またはCJ-10(長剣-10)ミサイルを搭載することで、敵の防空圏外からの攻撃ができ、理論上は戦略核攻撃能力もあるとして「簡単に言えば、老朽化した爆撃機にひと花咲かせた典型的事例」と論じた。
記事は、旧式の戦略大型爆撃機の利用法については、米国もロシアも大差がなく、中国のH-6K/Nもほぼ同じ使われ方をすると論じた。
記事はH-6について、中国がこれから開発する長距離爆撃機は当初備えていないと考えられる長距離ミサイルの搭載能力があり、今後数十年は新型爆撃機と共存することで、中国空軍の戦略爆撃力の中堅を担っていくとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人)
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