Record China 2013年3月25日(月) 22時20分
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25日、日中韓の自由貿易協定(FTA)交渉は10年の歳月を経てついにタイムテーブルを得た。だが日本が先日TPP交渉参加を発表したことが、日中韓のFTA交渉の足を引っ張る要因になると見られている。写真は山東省青島市の港。
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2013年3月25日、日中韓の自由貿易協定(FTA)交渉は10年の歳月を経てついにタイムテーブルを得た。今月26日には韓国・ソウルで初会合が行われ、2回目は中国、3回目は日本で行われる。だが日本が先日環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加を発表したことが、日中韓のFTA交渉の足を引っ張る要因になると見られている。南方日報が伝えた。
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日中韓はそれぞれ異なる経済水準にあり、産業構造に補完性があるため、FTA交渉の推進は3カ国の経済、貿易、投資の発展を促し、世界経済におけるアジアの発言力を高めると見られている。
■過程:10年の歳月を経てついにタイムテーブルを得る
時は10年前に遡る。2002年末、中国のイニシアティブの下、日中韓首脳は日中韓自由貿易圏構築のフィージビリティースタディーを行うことで合意した。研究を重ね、3カ国ですり合わせを行った結果、日中韓FTA交渉はついにタイムテーブルを得た。中国商務部(商務省)の沈丹陽(シェン・ダンヤン)報道官は先日の記者会見で、日中韓FTA交渉の初会合が3月26〜28日に韓国・ソウルで開かれることを明らかにした。
「近年、WTO中心の多国間貿易システムの働きが弱まる一方で、地域的貿易協定が各国で深化・発展している。これは世界経済に統合に出現した新たな現象だ」。対外経済貿易大学国際経済倫理研究センターの劉宝成(リウ・バオチョン)主任は「世界経済が減速する中、各国ともに貿易手続きを簡素化し、貿易コストを引き下げることを差し迫って必要としている。こうしたニーズが自由貿易圏の構築を客観的に推し進めている」と説明した。
また、「日中韓自由貿易圏を構築すれば、3カ国ともに必要とするものを得られる」と劉氏は指摘。「中国は産業構造の転換と高度化を差し迫って必要としている。こうしたニーズも貿易や投資を通じて満たすことができる。日本と韓国がこれにふさわしい市場であることは間違いない。このほか中国は日韓への投資を通じて産地優勢を形成し、欧米保護貿易主義ブロックを避けることもできる」と説明した。
劉氏はさらに「日韓にしてみれば、対中貿易の深化は経済の持続的成長の助けとなる。現在も中国は人件費、用地コスト、資源の面で強みを持ち、消費能力も高まり続けている。これらはいずれも日韓に投資と市場の空間を与える」と説明した。
■焦点:日本のTPP参加が日中韓FTA交渉の足を引っ張る
業界は日中韓自由貿易圏について米国がアジア太平洋地域で推し進めているTPPに対抗して国益を守るものと考えている。だが日本側の態度が曖昧で、「複数賭け」さえしていることが、自由貿易圏の構築にとって最大のリスクとなっている。
日本の安倍晋三首相は今月15日、TPP交渉への参加を正式に発表した。劉氏は、「日本のTPP交渉参加は、日中韓自由貿易圏の構築にとって短期的に足を引っ張る要因となる」と分析。また、「TPPは米国主導の貿易グループであり、経済的範疇を遥かに超えて政治的要素に関わり、アジア経済に占める中国の地位に影響を与え、人民元の地域通貨化への牽制にもなる」と説明した。
だが、もし日韓がTPPと日中韓自由貿易圏に同時に加盟すれば、中国に優位に働くとの楽観的分析もある。中国は日韓との協力の形を通じて、産地優勢を享受し、TPPの多国間貿易優遇条件を獲得できるというものだ。
頭が痛いのは、日本が米側のTPPの制約から、日中韓FTA交渉のプロセスに影響を与えることだ。もしFTA交渉が棚上げになれば、3カ国の利益が損なわれるだけでなく、より長期的には北米自由貿易圏のたゆまぬ拡大とEUの財政・金融政策統合プロセスの推進に伴い、アジアは欧米と対抗する貿易枠組みを欠くことになり、世界経済におけるアジアの発言力に影響が生じる。
劉氏は、「21世紀の経済成長はアジアにある。だが結束と発言力を欠けば、たとえ比較的速い成長を実現しても、その利益を得るのはアジア諸国ではなくなる」と指摘。さらに、「3カ国の切実な利益とアジア経済の地位に関わる状況の時にふらふらしている日本は、平和的発展という先見の明を持ち、視野をもっと広げ、度胸をもっとつけ、アジア最大の、最も成長性を備える経済国と一致協力すべきだ」と述べた。
■提言:FTA交渉は相互信頼と透明性が重要
日本のTPP交渉参加について沈報道官は先日の記者会見で「われわれは各国との意志疎通と交流を継続し、この交渉の影響を踏み込んで分析するとともに、自らの自由貿易圏戦略を加速する」と表明した。
それでは間もなく始まる日中韓FTA交渉において鍵となるのはどのような点だろうか。
交渉過程を知るある人物によると、次の段階の交渉で最大の鍵を握るのは政治的意志だが、日本の姿勢は最もふらついている。米側の打ち出したTPPを牽制する狙いから、中国は常に積極的な姿勢であり、交渉過程を全力で推し進めるはずだ。
劉氏は、「日中韓自由貿易圏がもたらす貿易の円滑化は経済成長の『正の和』要因であり、決して『ゼロサム』要因ではないことを認識すべきだ」と指摘。また、「こうした状況の下、日中韓の指導者は政治的要素を捨てて、感情的にならず、摩擦の激化を避けるべきだ。また、FTA規則の透明性を高め、相互信頼とウィンウィンを基礎に規則を制定すべきだ」と述べた。
劉氏はさらに「現段階ではなおさらに日中韓は相手を探るような接触や工作的交渉を止め、持続的、共同的、建設的な準備枠組みの構築を提言し、自由貿易圏構築の実質的進展を促すべきだ。また、3カ国の互恵という観点から外部の妨害を排除し、世界経済におけるアジアの発言力を高めるべきだ」と注意を促した。
実は中韓は2012年5月には2国間貿易協定について交渉を行い、中韓貿易・投資の発展を促した。中韓交渉は日中韓FTA交渉よりも早く、年内に妥結する見通しとの分析がある。中韓FTA交渉が妥結すれば、日中韓交渉妥結の可能性も少し高まるかも知れない。
これについて劉氏は、「中韓2国間貿易協定は次善の選択だが、日中韓自由貿易圏構築の突破口を開き、推進することにもなる」と指摘した。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)
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