修士課程入学試験に180万人、20年で15倍増=受験の理由は十人十色―中国

Record China    2013年3月29日(金) 14時37分

拡大

28日、中国で修士課程入学試験を受ける学生の数は、20年間で15倍増、10年間で倍増するなど急増し、9年連続で100万人を超えている。写真は山東省青島市で修士課程入学試験に向け勉強する学生。

(1 / 2 枚)

2013年3月28日、中国で修士課程入学試験を受ける学生の数は、20年間で15倍増、10年間で倍増するなど急増し、9年連続で100万人を超えている。今年は2次試験を受けるために必要な1次試験の最低ボーダーラインが今月26日に発表。受験生は過去最高の180万人に達した。しかし、専門家は、「大学院生が増加し続けると、学生の質が低下し、深刻な結果を招く可能性がある」と指摘している。新快報が伝えた。

その他の写真

■9年連続で受験生100万人超

中国で大学院生の募集規模が拡大され始めたのは、まだアジア金融危機の余波が残っていた1999年にまで遡る。当時、就職難を少しでも緩和するため、同策が講じられたのだ。しかし、その場しのぎ的な方法に過ぎず、抜本的解決には至らなかった。就職難は緩和された代わりに、同試験を受ける学生が爆発的に増加してしまった。

実際には修士課程入学試験を受ける学生数は11万4000人だった1994年以来、年々増加し、次々に過去最高数を記録。2013年には、1994年比15倍増の180万人に達した。だからと言って、入学のハードルが下げられたわけではない。1996〜2001年の期間は最も競争が激しく、受験生計189万人のうち、合格となったのはわずか46万4000人。倍率4倍の計算だ。一方、現在も3倍と依然として高い倍率となっている。

■大学院卒業生の就職率が大学卒業生を下回る

「大学4年生の時に、修士課程入学試験を受けないなら毎日が正月みたいなもの」。中国の大学で昔から語られてきた言葉だ。中国では、一体なぜ同試験がここまで重要視されるようになったのだろう?募集規模を拡大し続けるなら、大学院生に悪影響を及ぼす可能性はないのだろうか?

広東省広州市にある華南師範大学公共管理学院の王建軍(ワン・ジエンジュン)教授は、「就職活動を有利に進めたいというのが、学生が同試験を受ける主因で、国の卒業生の資質に対する要求が高まっていることも原因の1つ」と指摘している。

一方、民間非営利団体「21世紀教育研究院」の熊丙奇(シオン・ビンチー)副院長は、「大学院生教育は膨れる一方のバブル状態になっている。2005年より、修士課程の受験者数は過去最高を記録し続けているのに対し、卒業後の就職率は下降を続けている。2010年と2011年に至っては、大学院卒業生の就職率が4年制大学の卒業生より低いという状況さえ起こった」と指摘する。

■受験生180万人にもいろいろな理由

(1)就職逃避型

広東省広州市の華南理工大学ソフトウェア学院の呉(ウー)さんは、大学に通うようになって以来、オンラインゲームにはまり、学業の成績は低空飛行だったといい、「2流の会社では働きたくないし、かといって1流企業は相手にしてくれない。修士課程入学試験を受ける道しか残っていない」と受験の理由を語る。

(2)エリート志向型

広州市の華農経済管理学院で金融を専攻する2年生の盧(ルー)さんは、1年生の時から修士課程受験を決めているといい、「両親とも大学院を卒業している。1回目で受からなくても、合格するまで続ける」とやる気満々。すでに、受験の準備を始めている。

(3)有名大学志望型

「この大学に入学するとは夢にも思っていなかった」。こう語るのは、広東外語外貿大学で監査を専攻する2年生の李(リー)さんで、全国大学統一入試の成績が思わしくなかったことをずっと後悔しているという。そのため、大学に入ってからずっと修士課程に思いを集中させているといい、「有名大学に入るという夢をかなえるためなら、どんな犠牲も問わない」と決意を語る。

(4)専攻を変えたい型

大学で学んだ専攻に満足しておらず、修士課程受験を通じて、さらに意にかなう専攻に変わりたいと願う学生も多い。結婚適齢期を過ぎても結婚できない「剰女」になる可能性があるとしても、この道を選ぶ女子大生もいる。

(5)ミーハー型

「周りが受けるから受けるだけで、合格したらもうけもの」。今年で2回目の受験という広州大学の陳(チェン)さんの言葉だ。「他の人が受けるから、その波に乗って受けるだけで、合格したらもうけもの、不合格でもなんの損もない」と話している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/内山

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携