Record China 2019年5月24日(金) 10時10分
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韓国紙・東亜日報は21日、「韓国の大学は、学生を争奪し財政収入を確保するために、中国人の学歴工場に成り下がっている」と報じた。写真はソウル。
韓国紙・東亜日報は21日、「韓国の大学は、学生を争奪し財政収入を確保するために、中国人の学歴工場に成り下がっている」と報じた。同日付で中国メディア・環球網が伝えた。
記事は、「韓国教育部が19日に発表した資料によると、昨年、韓国で博士学位を取得した中国人留学生の数は3636人に上り、2013年の1906人からほぼ倍増した。さらに、その中の大多数は、修士号をすでに保有している中国の大学教授だった」と指摘。さらに、「中国教育部の統計によると、中国国内には約163万人の大学教授がいるが、博士学位を取得しているのはそのうち24%に当たる40万人ほどしかおらず、それ以外は全て修士以下の学歴だ」と伝えた。
また、この現象について、「中国政府は現在、世界的な一流大学と一流学科を構築する『双一流』政策を掲げている。このような背景から、多くの大学が教師陣の学歴レベルを上げることに注力しており、博士学位取得が大学教師らの目標となっているのだろう。この要求はまさに、学生数や収入の確保にあえぐ韓国の大学側の需要と合致しており、多くの中国人大学教授が韓国に博士過程を修めにくるという状況につながったのだろう」と説明した。
さらに、「中国人留学生が韓国で博士号を取得するニーズが高まるにつれ、韓国のいくつかの大学と交渉して『中国人博士課程』の仲介をする者(ブローカー)も現れた」と指摘。ソウルのある大学で院生の新入生募集を担当するスタッフは、「ある日、中国の大学の留学業務を担当しているという男性が窓口までやって来て、『中国には博士号を手に入れたい教授が数多くおり、自分は数十人の学生を1度に提供することができる。だから中国人専用の短期博士課程を開設してくれないか』と要求してきた」と話したという。
そのスタッフは、「韓国の教育部の規定により、韓国語能力検定3級以上の保持者でなければ韓国の大学には入学できないことになっているが、実際のところ、検定3級を持っていても韓国人学生のように授業に参加し課程を修めることは困難で、韓国の教授は授業をするに当たって頭を悩ませている。しかしどの大学も至急お金が必要なため、教授らは大学が外国人留学生の受け入れを拡大することに協力するしかない」とも述べたという。
韓国メディアの報道によると、韓国の大学教授らはインタビューに対し、「留学生は入学のハードルが低いため、質の高い論文を完成させることはおろか、まともにコミュニケーションを取ったり授業を受けたりすることも難しい。短期研修という形で韓国に博士課程を取得しに来る学生となると、なおさら研究の質は保証できない。韓国の大学は目下、財政的な理由で売り手市場に追い込まれており、なだれ込んでくる中国人留学生のために中国語で授業をするコースを開設したり、中国語を話せる教授を手配したりするしかない」と答えているという。
続いて記事は、「問題は、韓国のいくつかの大学で開設されている博士課程や論文審査のプロセスの一部が規定に反して操作されていることだ」と指摘。記事によると、昨年ある韓国の地方大学で、博士課程の中国人留学生らのために、通常なら4カ月かかる1学期分の課程が12日間で終えられるよう調整されていたことが発覚し物議を醸した。
これに対して在韓中国大使館に抗議が寄せられたり、韓国教育部に「韓国の大学の卒業証書は本当に信頼できるのか?」と問い合わせが入ったりしたという。韓国の世論は「留学生の受け入れ拡大は韓国の大学の知名度向上や、韓国に精通した海外人材の養成に一定の効果があるが、盲目的に受け入れを拡大することは留学生教育の管理が不十分になったり、留学生にいい加減に学位を授与したりすることに繋がりかねず、国際的な信用を失い悪影響が出る恐れがある。韓国政府はこの問題をより重視すべきだ」と指摘しているという。
記事は、「韓国には190校余りの大学があるが、どこも学生数が減少しており、学費の値上げにも限界があるため、地方の、ひいては首都圏の大学でさえ手が回らなくなっている」とし、「大学に関わる政策の構造から変えないことには『韓国の大学の学歴工場化』はより一層深刻になるだろう」と論じた。
環球時報の記者は、学部から韓国の大学に通い、現在は延世大学で博士過程を履修中のある中国人留学生を取材。その学生は、「博士号の短期取得のような状況は首都圏の大学ではあまり見られず、あるとすれば地方の大学が中国の機関の速成プログラムといったものと提携して行っているのだろう。しかし、このようにして獲得した博士号は中国に戻って認定する際、審査を通すのがとても難しい」と話したという。(翻訳・編集/岩谷)
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