Record China 2013年4月16日(火) 8時40分
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15日、「中国一豊かな農村」と呼ばれる華西村で、“奇妙な内需拡大策”がとられているという。村内にある5つ星ホテルの経営が不振で、これを維持するために村民が交替で宿泊利用しているというのだ。写真は龍希国際大飯店。
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2013年4月15日、「中国一豊かな農村」と呼ばれる華西村で、“奇妙な内需拡大策”がとられているという。村内にある5つ星ホテルの経営が不振で、これを維持するために村民が交替で宿泊利用しているというのだ。新京報の報道。
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華西村は長江デルタの真ん中、江蘇省無錫市にある村で、国内では「中国一豊かな農村」と呼ばれている。わずか50年あまりの間に未曾有の発展を遂げ、全国で名を挙げたこの村は1960年代より工業化を目指し、文革時代を通じて利益を上げ続け、1980年代末の改革開放政策実施後は産業の多角化に成功。現在は鉄鋼業・紡績業・観光業を三大産業とし、2003年には村全体のGDPが100億元(約1570億円)を超えるという奇跡を起こしている。
この「新農村の発展モデル」をけん引してきた呉仁宝(ウー・レンバオ)元・村共産党委書記が3月18日、85歳で死去した。その後、村を支える好景気が、傍から見るほどには好況ではないことが徐々にわかってきた。新京報の記者が実際に村内を取材したところによると、既存の中核的産業は2008年あたりから振るわない。過剰生産があだとなり、多くの赤字を出して工場閉鎖も見られはじめている鉄鋼業。同じく生産業である紡績業も出口の見えない不振にあえいでいる。新任のリーダーである呉協恩(ウー・シエエン)村共産党委書記は、「体力を知力に、数量を品質に、伝統を現代に」と産業モデルの転換を呼びかけ、サービス業、金融業などの新産業によって経済をけん引しようと考えているが、その道筋はいまだ見えていない状態であるという。
そんな中、中核的産業で唯一、好況を保っているとされるのが観光業だ。2012年、村は200万人の観光客を受け入れ、その収益は6億元(約94億円、粗利ベース)に達した。過去数年間、同様の好況が続いているが、村にとって最大の観光スポットでありランドマークとなっている5つ星ホテル・龍希国際大飯店は赤字を出しているのが実情だという。かつ、その売り上げの少なくない一部分が、「村民の消費」によって成り立っているのだ。これも、村が推し出している内需拡大政策によるものだという。村が毎年、住民に対して発行している消費券(日本の「地域振興券」にあたる)は、村内の商業施設やホテルでの消費を促しており、村が決定したスケジュールに沿って、毎月数十世帯の村民が龍希国際大飯店に宿泊する仕組みになっている。そのほか、村が観光産業の目玉としている「ヘリコプター遊覧」や「農村ウェディング」も実は、村民の利用によって成り立っている側面が大きい。全国の自治体が憧れる「中国一豊かな農村」の未来は、決して明るいばかりのものではないようだ。(翻訳・編集/愛玉)
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