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雲南省・怒江の水力発電所、建設を再開=生態系や下流域国家への影響は必至―台湾紙

Record China    2013年5月9日(木) 7時37分

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6日、台湾聯合新聞(電子版)は、中国政府は大気汚染などへの影響が深刻な火力発電への依存を軽減するため、雲南省・怒江流域の水力発電所建設計画を再開させたと報じた。写真は中国・雲南省怒江リス族自治州福貢県。

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2013年5月6日、台湾聯合新聞(電子版)は、中国政府は大気汚染などへの影響が深刻な火力発電への依存を軽減するため、雲南省・怒江流域の水力発電所建設計画を再開させたと報じた。これによって流域の自然や生態系が影響を受け住民数万人が移転を余儀なくされるだけでなく、ミャンマーやタイなどの下流域の国にも大きな影響を与える可能性がある。シンガポールの華字紙・聯合早報が伝えた。

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怒江は、チベットを源流として雲南省やミャンマーなどを経由してアンダマン海へ注ぎ込む全長約3000kmの河川である。流域は峡谷や原始林に囲まれ、7000種を超える植物やユキヒョウ、レッサーパンダ、キンシコウなど数十種類の希少種や絶滅危惧種の動物や魚類が生息し、「三江併流」として世界自然遺産にも登録されている。(※三江:雲南省内を流れる金沙江(長江支流)、瀾滄江(メコン川上流)、怒江(サルウィン川上流)の3河川を指す)

しかし、同流域は地震が頻発する地区で地質が脆弱なため、ダムや水力発電所が建設されれば、生態系の破壊だけでなく下流域の住民にも深刻な影響を及ぼす可能性が高い。そのため、2004年には温家宝(ウェン・ジアバオ)首相(当時)が建設計画の中止を命じた。

しかし、温首相が退任した今年3月、建設計画は復活。大気汚染などの環境負荷を重く見た中国政府が、2020年までに全国の電力供給量の15%を化石燃料に依存しない発電とする目標を定めたためである。専門家は「国内の巨大な電力需要を鑑(かんが)みれば、当局が怒江流域の生態系などへの影響を考慮して計画を中止する可能性は小さい。従来は13カ所とされたダム建設計画を5カ所に削減するにとどまるのみ」と指摘する。

現地の住民も「政府は雲南省内に4カ所、チベット自治区に1カ所、計5カ所のダムを建設する計画のようだ」と証言する。計画が実現されれば、怒江流域の豊かな自然環境は二度と戻らなくなる。

中国政府はこれ以外にも、全国で多数の水力発電所建設を計画しており、完成すればその総発電量は米国の水力発電量の2倍以上に達する。これらの計画の多くが、下流域のインドやカザフスタン、ミャンマー、ベトナムの水供給や農業・漁業に影響を与えるため、自然環境や生態系の破壊とともに、今後はこれらの国々との緊張の高まりも避けられそうにない。(翻訳・編集/HA)

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