<日本人が見た中国>日本人と中国人、買い物感覚の違い

Record China    2013年5月16日(木) 19時28分

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日本と違い、バスや地下鉄の中でいきなり商売を始める人が現れる中国。路線バスの車中で、いかにも怪しげなことを言う商人のネックレスが飛ぶように売れる様子から、日本人と中国人の買い物感覚の違いが見えてきた。写真は翡翠のネックレス。

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2013年2月15日、旧正月休みの真っ最中。四川省成都市で市内バスに乗っていると、30代に見える男性がいきなり車内の少し高いところに上がり、マイクで「旧正月大安売り!北京珠宝広場で売っている1280元(約2万1000円)の翡翠のネックレスが今日だけたった20元(約330円)!」と叫びだした。

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他の乗客より頭ひとつどころか、体の3分の1ぐらいまで飛び出した男性が大声で商売を始めた姿に、最初はみんな驚いてポカンとしていた。

「1280元のネックレスが今日だけたった20元!」と男性は叫び続けている。どうやら北京珠宝広場というのは成都にある商業施設の名前だということがわかった。しかもこのネックレスは、箱だけでも15元もするお値打ちものらしい。

いかにも嘘っぽい商品を、男性はまずは女性客に渡して見せた。「どうせ誰も買わないよ!」と私は冷ややかに見ていた。すると、私のすぐそばで商品を渡された女性が買った。「(すぐ買うことを決めた)この人はサクラだ」と思ったけれど、どうもそうではない。渡された女性のほとんどがそのネックレスを買い、1人で2つも3つも欲しいと言い出す客もいる。男性客やおばあさんまで欲しいと言い出し、あっという間にネックレスは売り切れた。

私のすぐそばの女性が箱をあけてネックレスを見ているので、私にもはっきり見えた。透明感ある上品な翡翠というよりもさらに濃い緑は、やっぱり偽物の色だと思ったけれど、銀色のチェーンがついたそのネックレスは20元にしてはかなりいい。15元もするという箱も立派だ。買った中国人の誰ひとりとしてこれが本当に1280元もするとは思っていないだろうし、「20元にしてはいい」と納得したんだろう。

ネックレスを売り切った商人はもちろん次の停留所で降りた。サクラがいたならここで一緒に降りただろうが、誰ひとりとして一緒に降りなかった。

買った人は何度もそのネックレスを取り出してみたり、買ったことを携帯で家族や友人に連絡したり、とてもうれしそうだった。中国人って売り方はどうであれ、その商品が「いい!値段のわりに得した!」と思ったら買うみたい。

日本人なら怪しい人が売っている、言っていることが怪しいと思うと、商品はどうであれ買わない気がする。日本人と中国人の買い物感の違いをこのバスの中で見た気がした。

■筆者プロフィール:浜井幸子(はまい・さちこ)

1966年神戸市生まれ。19才の時、初めての海外旅行で行った中国の魅力につかまり、90年代の中国をバックパック旅行する。その後、中国やアジアの食を中心に書くライターとして活動中。著書「中国おもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」など。

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