貿易摩擦が影を落とす中、米国の中華料理店はやっていけるのか?―中国メディア

Record China    2019年6月27日(木) 8時20分

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新華国際は22日、米中貿易摩擦の影響下における米国内の中国料理店の状況について伝えた。ニューヨークのチャイナタウンであるフラッシング。

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新華国際は22日、米中貿易摩擦の影響下における米国内の中国料理店の状況について伝えた。

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記事はまず「中米貿易摩擦が始まってはや1年。最近、米国政府はますますその激しさに輪をかけ、2000億ドル相当の中国商品に対して輸入関税を10%から25%に引き上げた」と紹介。「対中輸入関税の大幅引き上げは中国からの輸入商品に依存して商売をしている米国の商人に深刻な影響を与えているが、その中には全米で約3万8000軒の中華料理店も含まれている」とした。

記事によると、最近、米国で中華料理店を営む数人の経営者が記者に「食材だけでなく内装用の建材など、価格の上昇幅はおおよそ25%前後で、われわれはこの偶然の一致を「四分の一の痛み」と称して、経済貿易摩擦が一日も早く終わるのを願うのみだ」と語っているという。

■「四分の一の痛み」を負わされる中華料理店経営者

河北省からやってきた女性の趙さん(英語名:Lily)はメリーランド州ボルチモア市で飲食業を営んではや10年余りになり、現地の中華料理店経営者の苦しみを知り抜いている。

昨年、彼女が14組の食器棚を注文しようとしたところ、請負業者が出してきた価格は5000ドル(約54万円)で、材料の大部分は中国から取り寄せるという説明だった。高いと思って踏みとどまったが、最近見積もりを取り直したところ、同じ材料、同じ工賃で価格が1500ドル(約16万円)も上がっていたという。

趙さんは「見て。これが四分の一の痛みでなくて何なの?。最近はしょうゆだろうが中国製のタイルや大理石のテーブルトップだろうが、ほとんどみんな同じような値上がり幅で、エアコンなんて恐ろしいほどだわ。部品の多くが中国からの輸入だから、去年1年間は値上がりばっかりで、合わせたらエアコン1台当たり1000ドル(約10万7000円)も高くなったのよ」と言いながら、手を広げてやるせない表情を浮かべたそうだ。

陝西省出身の王さん(英文名:Samuel)はペンシルバニア州最大の都市フィラデルフィアで2軒の中華料理店を経営し、主に中国北方の麺料理を提供している。記者が店の取材に訪れたのは午後3時で、昼時の混雑はすでに過ぎた時間帯だったが、それでも5~6組の客がひっきりなしに訪れていた。黒人の客もいれば、白人や中国人もいる。

王さんは調理師出身のためか厨房で使うものにはこだわりがあり、客から本場の味じゃないと言われるのを恐れている。彼は「中国大陸から輸入する食材は使う食材全体の30%くらいですが、去年貿易摩擦が始まったばかりの頃、一度で結構な種類の食材が値上がりしました」と語った。

記事は「今年の2、3月以降、中華料理店で使うほぼすべての中国商品が軒並み値上がりし、値上がり幅は平均25%前後になる。そのため店の経営者が受けた衝撃は推して知るべしだ」と伝えた。

例えば乾燥唐辛子は1箱5ドル(約540円)、24缶入りの海南島産ココナッツジュースが1箱5ドル、1袋50ポンドの長春産香り米が4ドル(約430円)、鎮江の香醋が1箱3ドル(約320円)、王老吉(ワンラオジー:中国で人気の高い冷たいドリンク)が1箱1ドル(約107円)、テイクアウト用の中国製プラスチック容器の値上げ幅は比較的小さくて10%前後と、「これなどはまだマシな方」だとのこと。

もっと深刻なのは、食材値上がりの傾向が止む気配がなく、それどころか通関手続きの関係で物が入らなくなるかもしれないことだといい、中国から輸入する建材に至っては価格が不安定で、ひどい時には1日のうちで午前と午後では値段が違うこともあるという。

記事が「誠実な人物」と評する王さんは、中華料理店を開業して6年余り、業界の規定では半年に一度料理の値段を改定するが、市場価格の変動が大きい中、ここ2年ほど値段を据え置いている。

王さんは「米国で中華料理店を経営するのは難しい。食材が上がったから料理の値段を上げますとは言えないし、そうすれば客が逃げてしまう」と話した。そのため、まずは食材の値上がり分を自ら被って、料理の値段を上げられるタイミングを見るしかないのだという。

もうひとつ、彼を悩ませているのは中米貿易摩擦と米国政府の移民、留学生受け入れ抑制策のために昨今中国人のお客さんがほぼ半減してしまったことだ。まず食事に来る留学生の数が減り、次に中国人観光客が減った。以前なら週末には日に7~8組の中国人客が入ったが、現在では2~3組入れば御の字だという。

王さんは「貿易戦争が直接影響するのは、やっぱりわれわれ庶民なんです。商売人にとって原材料は安いに越したことはありません。中米の貿易戦争が一刻も早く終わるのを願っています。もしこのまま行ったら、われわれ飲食業界も別の業界もみんなが衝撃を受けますが、最大の被害者はやはり大勢のお客さんです」と語っているという。

■結束して対応するサプライヤー

山東省出身の楊さんは、父親とともに米国各地でスーパーマーケットのチェーン店を営んでいる。店の近くの中華料理店はいずれも、中国産のしょうゆや酢、腐乳(豆腐に麹をつけ、塩水中で発酵させた中国食品)、ビーフン、海産物、乾物などの食材を含めて、彼の店から商品を仕入れている。

記事は「中華料理店の上流にいるサプライヤーとして、スーパーマーケットの価格変動とレストランの運営は密接に関連している」と指摘。楊さんは「幸いなのは卸売がスーパーの上流のサプライヤーとして困難を分かち合う戦略を採っていることです。まずスーパーに対して中国産商品の価格全般を引き上げることを通知し、毎月3~5%ずつ上げていきます。連続して半年前後値上げを繰り返せば、値上げ幅は累計で25%前後になるわけです」と述べているという。

こうした値上げのやり方について、楊さんは「私たちは行動を共にし、結束して対応しています。卸売が一度に大きく値上げするのではなく毎月少しずつ値上げして行けば、スーパーと一緒になって値上げ圧力を分散することになり、中華料理店に対する圧力もそれほど大事にはなりません」と語っている。

また、「卸売自身も現在の中米貿易摩擦の動向を注視していますから、段階的に値上げするやり方を採ることで、他のみんなも自由に進退を決めることができることになります」とも語った。

■中華料理店オープンの米国人も災難

ニューヨーク州ニューヨークのハスポルさん夫婦は共通の趣味である中華料理好きが高じて、長期間の準備の後、今年の4月にマンハッタンの南部地域に「幸運小李」という名の、無糖、低脂肪を売りにした健康的中華のレストランをオープンした。

開店後間もないこともあって、ハスポルさんはまだ原材料の値上げに大きな衝撃を受けているというわけではないが、それでも内装の支払いの際、請負業者から「建築材料の多くが中国からの輸入品で、仕入れながら工事を進めたため、材料が絶えず値上がりした。これは米国の対中国商品関税引き上げのせいだ」と言われたそうだ。

これが前触れとなって彼女は、このまま中米経済貿易摩擦が続けば、食材や原料の値上がりがレストランの経営に影響してくるかも知れないと将来に不安を募らせている。記者が「もし本当にそうなったら、レストランはどうすれば良いと思う?」と聞いたところ、彼女はしばし黙った後「私達は平和を支持しているし、別の国も支持しているわ。彼らがビジネスをしてくれることを支持したいわね」と答えたという。(翻訳・編集/坂下晃)

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