Record China 2013年5月23日(木) 16時17分
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21日、ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門でグランプリを受賞した中国映画「三姉妹〜雲南の子」が、今月25日から日本全国で順次公開されることがわかった。写真は映画の1シーン。
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2013年5月21日、ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門でグランプリを受賞した中国映画「三姉妹〜雲南の子」が、今月25日から日本全国で順次公開されることがわかった。
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王兵(ワン・ビン)監督の新作「三姉妹〜雲南の子」は、彼が国際的な評価を高めたドキュメンタリー分野で取り組んだ力作。世界初上映となった2012年ベネチア国際映画祭でオリゾンティ部門グランプリを受賞したのを皮切りに、同年10月にはリスボン国際ドキュメンタリー映画祭でもグランプリを獲得。ナント三大陸映画祭でも最高賞にあたる「金の気球」賞と、観客の投票によって選ばれる「観客賞」をダブル受賞した。
現代中国のみならず、世界で最も重要なドキュメンタリー作家である王監督は、2003年に発表した全3部作・9時間を越える「鉄西区」で、世界の映画界に衝撃を与える。「鉄西区」は、山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞ほかリスボン、マルセイユ、ナントなど各国の映画祭で受賞。2007年の「鳳鳴(フォンミン)―中国の記憶」は、山形国際ドキュメンタリー映画祭史上初の2度目の大賞を受賞。さらに、王監督初の劇映画である2010年の「無言歌」は、ベネチア国際映画祭サプライズ・フィルムとして上映され、キネマ旬報外国語映画監督賞を受賞した衝撃的作品だ。
今回王監督が発表した「三姉妹〜雲南の子」は、中国の雲南地方、標高3200mの高地にある貧しい村に暮らす幼い3人の姉妹の生活に密着したドキュメンタリー。子供たちの母親は随分前に家を出ており、父親は出稼ぎに出ているため家にはいない。近くに親戚や祖父がいるが、三姉妹は、農作業を行い、家畜の世話をし、自分たちだけで生活している。
王監督のカメラは、過酷な環境の中に生きる子供たちをひたすら捉えながら、どのような状況にあっても生き続ける人間の尊厳と逞しさを見出している。作品自体は直接的に政治的なメッセージを発するものではないが、経済的繁栄に沸く中国にあって、これほどまでの格差が存在しているという事実には驚かざるをえない。なお製作には、フランスと香港の製作会社があたり、中国資本は入っておらず、撮影に政府の許可は得ていない。25日より、シアター・イメージフォーラム(東京)などで順次公開。(編集/ENE)
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