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トランプ米大統領の対中強硬姿勢で「中国が日本に接近」と米誌、経済関係のメリット重視

Record China    2019年7月6日(土) 19時10分

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米国誌「ニューズウィーク」が中国が日本に接近したのは「トランプ米大統領の対中強硬姿勢で日本へのアプローチを考え直したため」との記事を掲載した。経済面でお互いメリットのある関係を重視したともみている。

米国誌「ニューズウィーク」はこのほど、中国が日本に接近したのは「トランプ米大統領の対中強硬姿勢で日本へのアプローチを考え直したため」と主張する記事を掲載した。この中では「政治や安全保障の面では意見対立が残るものの、経済面でお互いメリットのある関係を重視した」ともみている。

同誌は大阪での20カ国・地域首脳会議(G20)に出席のため来日した中国の習近平国家主席と安倍晋三首相との日中首脳会談に言及。「国際的な会合に合わせてこうした首脳会談が行われるのは珍しくないが、今回の会談は特別だ。2013年に国家主席に就任した習氏が日本を訪れたのは今回が初めて。会談で両首脳は日中関係が改善に向かっていることを評価し、習主席が20年春に国賓として再訪日する方向で一致した」と論じた。

さらに「少なくとも要人の往来という点では日中両国の関係は改善基調にある」と説明。「18年5月に中国の李克強首相が来日したのに続き、10月には安倍首相が中国を公式訪問した。李首相の来日時には社会保障から新興国での民間経済協力に至るまでの幅広い問題について、日中間で覚書が交わされた。中国との間に再び実利重視の関係を築くことが重要という考えから、安倍首相は李首相の北海道訪問にまで同行してもてなした」と続けた。

一方で記事は「わずか数年前には日中関係はどん底の状態にあった」と指摘。「2010年に沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の近海で中国漁船が日本の巡視船に衝突したのをきっかけに、領有権をめぐる日中の主張が対立。12年に日本政府が尖閣諸島を国有化すると、緊張はピークに達した。上海では反日デモの参加者らが街頭で日本車を燃やして抗議し、トヨタ自動車など複数の日本企業が中国の事業所の営業を一時的に停止する事態に発展した」と振り返った。

日中関係の現状については「構造的に見れば、ほとんど変わっていない」と主張。日中は今も尖閣諸島の領有権をめぐって対立しているし、中国の船舶(公船や漁船など)が同諸島周辺に侵入する事態も頻発している。中国軍の急速な近代化や周辺海域への進出も止まっていない」と分析した。さらに「変わったのは米中関係が悪化したことだ。トランプ大統領の対中強硬姿勢により、中国は日本に対するアプローチを考え直さなければならなくなった。中国にとって、米国と日本の両方と敵対的な関係を続けていくことは持続不可能だ」と論じた。

その上で「日中両国が実利主義に転じたことで、近年の日中関係の特徴だった醜いプロパガンダ合戦は封じ込められた。日本も中国も、政治的な関係の安定が経済にとってプラスになることを認識しているからだ」としながらも、「日中関係が徐々に改善していくことは重要だが、いずれは安全保障の問題とも直面しなければならない」との見方を示した。(編集/日向)

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