日本のトイレ事情、八百万の神で重要な「トイレの神様」―中国メディア

Record China    2013年6月1日(土) 2時15分

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30日、中国本土や欧州諸国では人間の排泄物の処理の仕方に頭を悩ましているのに対し、日本では逆に排泄物を土地の栄養や農作物の生産量を高める資源として歴史的に活用してきた。資料写真。

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2013年5月30日、中国本土や欧州諸国では人間の排泄物の処理の仕方に頭を悩ましているのに対し、日本では逆に排泄物を土地の栄養や農作物の生産量を高める資源として歴史的に活用してきた。日本のトイレ事情もまた中国と欧州諸国とでは大きく異なる。中国青年報が伝えた

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1965年にカリフォルニア大学バークレー校から出版された書籍では、16世紀から17世紀に日本に来て活動していたキリスト教宣教師の話を引用している。「客に提供されたのは、部屋から離れた静かな場所に設置された非常に清潔なトイレで、トイレの中には塵一つ落ちておらず、蚊取り線香と裁断されたトイレットペーパーが置かれていた。毎回客がトイレを利用して出て行くと、担当の人がトイレ全体をきれいに掃除し、最後に清潔な砂をまく。これで、トイレは再びまるで誰も使っていないかのような状態になる。トイレの隣にはきれいな水が入った容器と手を洗うのに必要なものが置かれている。 これは、日本人は貧富の差に関係なく、すべての人がトイレに行った後に手を洗う習慣を持つことを示している。同時に、トイレの掃除と排泄物の処理は、必ず排泄した人が自分で行うものであることも示している。

人の排泄物には土地を非常に肥沃にするという経済的価値があり、肥料として代用できる。しかし、日本では排泄物は高いのではなく、見つけるのが難しいのだ。日本では、大便や小便の所有権や処理権は完全に個人に属しているわけではない。江戸時代、東京の人口は100万人だったが、そのうち、半分近くの人口は長屋に住む地方から仕事をしに来た労働者だった。家主と借家人は排泄物の所有権について、大便は家主に属し、小便は借家人全員に属すと決めていた。家主と借家人は、それを肥料として江戸から10km離れた農家に売ったり、或いは農作物と交換した。

しかし、日本人がこのように熱心に、きちんと排泄物を収集したのは、決して経済的な理由だけに拠るものではなかった。このほかの主要な動機に、風俗と信仰がある。日本には「万の神」と称して古来より森羅万象に八百万(やおよろず)の神が宿ると信じられていた。トイレの神様こと厠神(かわやがみ)もその中の重要な神様だ。厠神は美しい女神とされ、中国の観音菩薩と同じく主に妊娠や出産などと深い関わりがあるとされている。

また、トイレは農業生産に結びつく場所であり、厠神は農産物を収穫する任務を持つと考えられていたため、日本人はほかの神々と同じく、厠神を大切に祀った。地方によっては、トイレの中に御神体となる人形や絵馬などを飾っているところもあり、毎年年末にはそれらを新しいものに取り替えた。このほかにも、ある地域には異なる風俗も残っている。トイレの前にござを敷き、家族全員がその上に座り、厠神に向かって拝むのだ。それぞれがご飯を一口食べて、厠神がもたらした恵みに対し感謝する。もしトイレが臭ければ、このご飯を食べられるだろうか?

以前、日本に旅行をした際、1週間の滞在期間だったため、そこまで何度もトイレに行ったわけではなかったが、一つだけ確実に言えるのは、臭いトイレはひとつもなかったということだ。大学の校舎や駅、ホテル、デパートだけでなく、公園、レストランにいたるあらゆるトイレが皆同様に清潔であるだけでなく、さわやかな気分さえ感じられるような雰囲気があった。

日本にはトイレについて執筆している有名な作家がいる。妹尾河童氏だ。妹尾氏は舞台美術家でもある。妹尾氏の著書「河童が覗いたトイレまんだら」では、日本からインド、江戸時代から中世の欧州や17世紀のパリ、地球から宇宙にいたるまで、(宇宙船の飛行士たちがどのように用を足すのかまで)あらゆるトイレについて書かれている。トイレから人類文明の発展の奇跡が見て取れる、この本の視点には大変驚かされる。さらに素晴らしいのは、この本には詳細な説明文だけでなく、絵の才能も充分に発揮されていることだ。トイレを描いた見取り図は非常に詳細で、これを見ればすべてのことが分かる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/内山

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