中国の伝統教育、日本の書道教育に学べ!―中国メディア

Record China    2013年6月6日(木) 23時7分

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5日、日本の文化芸術は漢字の文化体系の影響を深く受けているだけでなく、中国の儒教と禅の思想が密接に結びついている。写真は北京で開催された書道展。

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2013年6月5日、日本の文化芸術は漢字の文化体系の影響を深く受けているだけでなく、中国の儒教と禅の思想が密接に結びついていると人民日報が伝えた。

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現存する資料から、日本はもともと話し言葉だけを持ち、固有の文字を持っていなかったことが分かる。3、4世紀になり、特に応神天皇の時代に、中国や朝鮮半島から日本に渡った「渡来人」が増えるのに従い、中国文化と漢字が日本に伝わった。「日本書記」には、応神天皇16年(285年)に、応神天皇の命を受け、百済の博士・王仁が「論語」と「千字文」の書を携えて日本に渡り、中国の典籍を皇太子に教授すると同時に、日本の皇室に漢字を広め、漢字と儒学の経典が正式に日本に伝わった。これにより、日本人は記録するための道具として漢字の使用を始めた。5世紀の中頃には、日本語の音を表す「仮名」を作り、これが日本独自の文字を創る始まりとなった。

聖徳太子から始まって、日本はたびたび人材を中国に送り留学させた。天智天皇は662年から672年の間に、唐を手本とした学制を設立し、中央に大学寮(律令制のもとで作られた式部省<現在の人事院に相当する>直轄下の官僚育成機関)を建設した。そこでは漢字の発音や書写、閲読を専門に教え、地方では国学を設立し、学生を募集した。これにより、漢字や中国文化を学ぶ層は貴族全体にまで拡大した。660年に百済が滅亡すると、多くの百済人が日本に流れた。これが奈良時代に唐文化が伝わる大きな要因となった。これにより、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、安土桃山時代から江戸時代まで、日本の書風(書道における文字の書きぶり)は等しく中国歴代の書風に影響されてきた。特に日本の官史の登用試験に漢学が適用されたことで、書の良し悪しが、漢学・詩文の習熟度を示すようになった。これにより、書写教育はとりわけ重視され、中央から地方に至るまで官吏の書体は極めて規範的なものに変化していった。

明治維新の頃、西洋の科学文化を導入するに従い、伝統的あるいは正統的な書道教育は大きな打撃を受けた。ある書道家は仮名文字の書道に熱中し始め、また万年筆という新しい筆記用具の普及は書道教育の方向性を失わさせた。書写道具の変化は書道の存在意義を問うものであり、万年筆の普及は毛筆の伝統的な地位に取って代わった。

1872年、日本は習字を教育の必須教科とし、書道教育を基礎教育として、独立した教育課程に組み込む学制(日本最初の近代的学校制度を定めた教育法令)を発表した。これが、日本の現代における書道教育の始まりとなった。

日本の書道教育体系は整っており、高、中、低の3段階に分かれている。正規教育では、高レベルは教育大学(師範大学)4年制の書道課程、中レベルは中学での書道教育、低レベルは小学校の書道教育だ。このほかにも、非正規の書道教育機関は日本全国に行き渡っており、いたるところに全日本書道連盟やこれに似た各種書道会や書道教室が開かれ、生涯教育としての書道教育の環境が国民に提供されている。

また、日本は書道の基礎教育を重視している。小・中学校はいずれも必須教科として書道課程が行われ、専門に書道を教える教員もいる。日本の小学校の教育段階では、書道は基礎教育における副教科として扱われ、3年から開始し、毎学年30時限の課程を行う。中学では、中学1年時に毎年28時限の課程を、中学2年、3年時には毎学年11時限の課程を行う。高校では、毎学年6時限の課程を行う。小学校と中学の書道の課程は、国語の課程の中に含まれ、高校の書道は芸術の課程の中に含まれる。これは、中国教育部(教育省)「中・小学校の書道教育の推進に関する意見」と大方一致している。

中国では、書道教育を徹底・具体化する過程で、首都師範大学が書道教育資源を整理統合し、小・中学校書道教育研究センターというプラットフォームを立ち上げ、海淀区の小・中学校を対象に書道教員研修などを実施するなど、教育部「小・中学校の書道教育の推進に関する意見」の具体化に向け人材面で基礎固めを行っている。今後、各種類の教材が実際の教育現場で使用されるに従い、最前線でフォローアップをしていき、適時に問題を発見・解決し、中国古代の知恵や隣国・日本のノウハウを絶えず学び、書道教育という新しい課程を小・中学校教育の中に規範的な形で根付かせていく必要がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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