2019年8月22日、新浪新聞によると、中国高速鉄道車両内で、席を譲ろうとした女性と、感謝を示さなかった相手の女性との間でつかみ合いのけんかが発生した。

18日、南昌と済南を結ぶ高速鉄道に乗車していた女性の王（ワン）さんは、隣の座席で子どもと一緒に狭そうに座っていた劉（リウ）さんを見て、厚意から自らの席を譲るため立ち上がった。しかし劉さんは感謝を示さず、王さんは劉さんの態度に不満を覚えた。席を譲った王さんだったが、ほかの座席に空きがなかったために仕方なく自らの座席に戻ってきた。

感謝されなかったことに怒りを覚えていた王さんは、再び立ち上がった際に折り畳みのテーブルをやや力任せに持ち上げる。それが子どもの体を挟みそうになり、劉さんが王さんに文句を言った。これにカチンときた王さんは劉さんに掴みかかり、取っ組み合いのけんかが始まったという。

駆け付けた警察官によって交番に連行された2人。「王さんがトイレに行ったと思い、子どもを座らせていた。当然のことだと思って、感謝を示さなかった」という劉さんの話を聞いた警察官は、劉さんの責任が重いと判断。結局、劉さんが王さんに謝罪するとともに、3万円程度の医療費を支払うことで和解が成立したという。

このトラブルについて、中国のネットユーザーは「感謝を示さない母親は礼儀がなさすぎる」「他人に感謝できない人間は死ぬまで他人に同情されることはない」「もう気軽に席を譲るのはよそう」「譲っても殴られる、譲らなくても殴られる」「今の世の中、『良い人』になろうとしてはいけない」といった感想を残した。

また、自身も席を譲ったのに相手から「ありがとう」の一言が聞かれず、不快な気分になったという経験を披露するユーザーも複数見られた。（翻訳・編集/川尻）