「実家に頻繁に帰省」は法律で義務化された=社会競争の激化で「難しい」=各国メディアが報道―中国

Record China    2013年7月4日(木) 16時10分

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1日、中国で「高齢者権益保障法」が新たに施行されたが、「競争が激化する現代の中国でそうしたことを義務付けるのは難しいのではないか」と、米英の各メディアが伝えている。

2013年7月1日、「実家へ頻繁に帰省して親に顔を見せなければならない」などとうたった「高齢者権益保障法」が中国で新たに施行され、海外からも注目が集まっている。「競争が激化する現代の中国でそうしたことを義務付けるのは難しいのではないか」と、米英の各メディアが伝えている。中国紙・環球時報が2日付で伝えた。

1日、米CBSは「中国の新たな法律が高齢者ケアへの関心を引き付けている」とする記事を掲載。世界的に高齢者が増加しており、その扶養やケアは大きな問題になっていると伝えている。今回の中国での法施行は、高齢者らの家庭内での孤立という現実を反映しているとも指摘した。米AP通信によれば、中国には60歳以上の高齢者が1億8500万人いるとされ、2053年には4億8500万人にまで増加し、中国の総人口の35%を占めることになるという。

中国社会では以前とは異なり、二世帯同居世帯が減っている。独居老人も増えている中、英BBCは「もし高齢者権益保障法に定められた義務を果たさなければ、罰金が科せられる可能性や、告訴されたり懲役刑が科せられたりする可能性もある」と報じている。

米USAトゥデイも同法の施行を報じ、「中国では子どもが先祖を敬い、親孝行することが当たり前という儒教思想があり、人々もそれを誇りに思っていた。しかし、現在では生活が大きく変わり、農村から都市へと働きに出る人が増え、競争に満ちた社会へと変容したことで実家へ頻繁に帰省することは困難な状況になっている」と伝えている。

中国のある社会学者は「高齢者権益保障法の施行によって、各企業は従業員が帰省できるように十分な休暇を与えなければならなくなる」と指摘している。また、定年退職したある高齢者は「電話で十分。わざわざ帰省するのは若い人には難しいはず」と話しているという。一方、30歳代後半のある男性は「実家から遠隔地で独立して生活する者にとっては、今回の法律施行は非合理的。帰省するには費用もかかるし、心理的負担も増える」とこぼした。(翻訳・編集/岡田)

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