グローバル化の新たな波を乗り越えるには、「規模」と「頭脳」を生かした改革をせよ―中国有識者

Record China    2013年7月26日(金) 9時17分

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23日、中国は世界貿易機関(WTO)加盟以降、経済規模で西側列強を次々に追い抜き、米国にすら追いつき追い越す勢いにある。これは西側を不安にさせている。資料写真。

2013年7月23日、中国は世界貿易機関(WTO)加盟以降、経済規模で西側列強を次々に追い抜き、米国にすら追いつき追い越す勢いにある。これは西側を不安にさせている。西側から見ると、中国は彼らが期待したように西側の戦略軌道に組み込まれるどころか、反対に「便乗」方式で「世界最大の勝者」となっている。(文:王義●、●=木へんに危、ワン・イーウェイ、チャハル学会シニアフェロー、中国人民大学国際関係学院教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

西側は中国が台頭した原因を詳しく調査し、規模の巨大さ以外に、中国のいわゆる「国家資本主義」モデルに矛先を向けた。つまり中国は政治体制改革が遅滞しており、国有企業に巨額の政府補助を与えることで不公平な競争優位を享受しているというものだ。

時代は変わった。以前の西側諸国は、中国を国際システムに組み入れ形作ることを急いでいた。これは客観的に見て、中国がグローバル化に融け込むうえで助けとなった。現在ではグローバル化の新たな一波の敷居を高め、中国を排除し、最終的に中国が欧米を追いつき追い越すという結末を回避しようとしている。

例えば近年、西側は対中「ポスト関与政策」を推し進めている。TPP(環太平洋連携協定)、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)などハイレベルの自由貿易協定によってグローバル化の新たな一波を先導し、環境コストや社会コストを組み込むことで、中国の国際的な競争優位を打ち消し、中国に改革を強制することを望んでいるのだ。

先日閉幕した米中戦略経済対話で、米国は明らかに中国の比較優位の強化と自国の対中比較優位の後退を懸念し、中国の特色ある社会主義市場経済体制に強い警戒心を抱いていた。

EUはそれ以上に「対等な関与」をスローガンに、「メイド・イン・チャイナ」に対して絶えず反ダンピング、反補助金調査を行なっているうえ、中国製太陽光パネルに対して段階的に引き上げる巨額の制裁関税を課すと脅してすらいる。

以上の事実から2つの結論が得られる。第1に、中国が台頭中の大国であることを、すでに国際社会は一致して認めている。第2に、現在は中国の国際的な比較優位を再構築する時期にきている。

中国は国内的に経済モデル転換の圧力に直面する一方で、自信のない西側とも向き合わざるを得ない。中国の比較優位は攻撃の的にされている。西側先進国が新たなグローバル化の規則を改めて制定し、国際貿易・投資標準を格上げする中で、国際競争の比較的優位を維持できるのかどうか、どう再構築すればいいのかが、中国にとって重大な戦略的課題となっている。

中国の比較優位を再構築するには、グローバル化による効果から改革による効果への転向を続け、経済構造の転換と生産能力の高度化によって、戦略的新興産業の要害を押さえ、国際規則・標準の制定権と国内の対応能力を強化しなければならない。

目下、欧米でさえ鳴り物入りで内部改革を実行し、国家建設に熱心に取り組んでいる。将来の競争が内的な力の競争であることをよく理解しているからだ。改革による効果は各国の将来の国際的な比較競争優位に関わる。最近始まったTTIP交渉は関税減免だけでなく、非関税障壁の撤廃を通じて、欧米の資本主義モデルおよび再工業化などの道の協調を図り、欧米の比較優位を再構築することを狙っている。ひとたび欧米が製品・技術標準で一致すれば、新たな国際標準となり、グローバル化全体の規則制定に影響を与え、世界に重要な影響を及ぼす。こうした新たな規則はTPPと共に、中国がグローバル化に参与する際のコストを大幅に高める。中国は復興した西側に再び直面せざるを得なくなる。将来の日中韓自由貿易協定(FTA)または欧中投資協定、米中投資協定を通じてこれを解消できるかどうか、中国の戦略的知恵が試されている。

「スダンダード」や「ルール」の決定権がグローバル化の次の一波における中国と西側先進経済体との競争の重点となる。中国の比較優位は最初に規模に頼り、後に体制に頼った。今後は規模と頭脳に頼る必要がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/ NA・編集/武藤)

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