Record China 2013年7月27日(土) 1時33分
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26日、田中均国際戦略研究所理事長(元外務審議官)は記者会見し、中国は北朝鮮が「西側との緩衝地帯」として有用なのか懐疑的になっている、と指摘した上で、「中国では韓国が統一する朝鮮半島は利益に反しないとの見方も出てきたようだ」と言明した。
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2013年7月26日、田中均国際戦略研究所理事長(元外務審議官)は日本記者クラブで記者会見し、米国、中国、韓国、北朝鮮情勢について分析した。この中で、中国は北朝鮮が「西側との緩衝地帯」として有用なのか懐疑的になっている、と指摘した上で、「韓国が統一する朝鮮半島は利益に反しないとの見方も出てきたようだ」と言明した。
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田中均氏の発言要旨は次の通り。
米国は人口が増え続けており、衰退していくことはない。ただ、イラク、アフガニスタンとの長期の戦争で米財政が疲弊し、格差、人種的な対立なども拡大。相対的に見れば、今の国力、求心力を維持するのは難しい。人口増もラテン系やアジア系の増加によるもので、その8割が民主党を支持しているので、今後共和党が政権を奪取するのは一層難しくなる。戦争をする力や求心力は米国にはもうない。経済的には中国やインドなどが大きく成長し、20〜30年後には中国が追い越すとの見通しもある。
韓国は経済力が増し15番目の経済大国になり、かつてのような脆弱性がなくなった。朴槿恵政権になって、中国が北朝鮮政策を転換したこともあって、最大の貿易相手国中国に接近。米中韓による戦略協議を呼び掛けている。地政学的に見てもドライになり、中国との関係に活路を見いだしている。
中国の態度が変化したので、北朝鮮は大きな岐路にある。大国となった中国は北朝鮮が「西側との緩衝地帯」として有用なのか懐疑的になっているのではないか。韓国が統一する朝鮮半島は利益に反しないのではないかとの見方も出てきたようだ。
中国は日清戦争後の100年が「屈辱の時代」だったが、2010年にGDPで日本を追い越し「大国意識」が出てきた。南シナ海、東シナ海での行動はその表れと言える。しかし(1)経済成長率の鈍化、(2)環境汚染問題の深刻化、(3)急速な都市化と農民工の存在(二重戸籍問題)、(4)汚職蔓延や一日200件といわれる抗議運動、(5)一人っ子政策に伴う高齢化―など大きなリスクも存在する。(取材・編集/HY)
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