最高時速600-1000キロのリニアモーター実験線、2020年に着工か―湖北省

Record China    2019年10月1日(火) 6時0分

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湖北日報は中国のSNSである微信を通じて、同省で最高時速600-1000キロの高速リニアモーター実験線が着工される計画があると報じた(写真)。

湖北日報は中国のSNSである微信の公式アカウントを通じ27日付で、同省で最高時速600-1000キロの高速リニアモーター実験線が着工される計画があると報じた。大手ニュースサイトの新浪網も29日付で同記事を転載した。

記事によると、湖北省武漢市に本社を置く鉄道関連の調査や技術関連業務を行う企業の中鉄第四勘察設計院集団が明らかにした。同集団の技術系高級幹部の靖仕元氏が、予定されているのは高温超電導技術を用いたリニアモーター実験線で、全長は200キロ余り。建設場所は湖北省南部の咸寧で、2020年の着工を目指しているという。

超電導とは電気の導体の温度を下げていった場合に電気抵抗が急激にゼロになる現象を指す。超電導を利用すれば強力な電磁石が作れるので、すでに医療用核磁気共鳴画像写真(MRI)などで広く応用されている。一方で、超電導は摂氏マイナス270度程度の「極超低温」でしか実現できないという制限があった。

そこで、それほど低い温度でなくても超電導が発生する導体の開発が、重要な研究テーマになった。特に重視されたのは、摂氏マイナス198.5度という液体窒素の沸点(1気圧下)以上の温度で超電導発生させる「高温超電導」の技術だ。従来は、超電導現象の発生のための極超低温を維持するためにヘリウムが使われていたが、ヘリウムは沸点が摂氏マイナス268.9度と極めて低い半面、希少な物質であり高価で、ほとんど米国でしか産出しない。米国はかつて、ヘリウムを戦略物資として輸出を禁止したこともあった。窒素ならば空気の主成分の一つであり、安価に製造でき資源の確保を気にする必要もない。

高温超電導を工学面に応用しようとすれば、超伝導状態の安定性なども大きな課題になる。大電流を流しているときに超電導の状態が失われれば、熱抵抗による温度上昇が一気に発生して爆発する恐れもあるからだ。高温超電導を利用したリニアモーターカーの運転が可能になっているとすれば、中国は同分野で極めて進歩していることになる。

中鉄第四勘察設計院集団の靖氏によると、実験線では技術体系全体の実証や調整、運行面での知見の取得を行い、その後には省都の武漢、さらに広州深セン方面に延伸し、最終的には北京と広州を結ぶ路線の一部にする構想という。(翻訳・編集/如月隼人

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