Record China 2019年10月2日(水) 21時0分
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中国の情報サイト、新浪網は3日、「J-20(殲20)戦闘機はなぜ、この『トンガリ』を減らしたのか。こういう配慮があるからだ」と題する記事を掲載した。写真はJ-20。
中国の情報サイト、新浪網は2019年9月3日付で、「J-20(殲20)戦闘機はなぜ、この『トンガリ』を減らしたのか。こういう配慮があるからだ」と題する記事を掲載した。
記事によると、ジェット戦闘機に見られる「トンガリ」については「避雷針になる」「超音速の壁を突破するため」など各種の「伝説」が生じている。記事はその上で、「トンガリ」の正体は「空速を測定する管」と紹介した。日本では一般的に「ピトー管」と呼ばれ、航空機の速度計として用いられる装置だ。
記事は、ピトー管の取り付け位置については亜音速機の場合には主翼や水平尾翼に、超音速機の場合には機首に取り付けられる場合が多かったと説明。また、20世紀後半になって速度測定のための電子機器が登場しても、品質がよく安価であるためにピトー管の地位は揺らがなかったと論じた。
ただし、戦闘機の発展につれピトー管の問題点も大きくなったという。まず、高空では大気が低温なので、氷の付着に対する対策が必要になる。そのためには、ピトー管を加熱せねばならない。
次に、ピトー管は金属で作られるので、自機が発するレーダー電波に干渉する場合がある。また、飛行機が高速になるに伴い、ピトー管の振動現象も問題になった。
さらに、ステルス性能に対する要求が高くなると、ピトー管はきわめてやっかいな存在になった。特に、それまでの戦闘機に見られた機首部分の長大なピトー管はステルス性の向上にとって極めて不利になった。
記事は対策の例として、米国のF-18戦闘機や中国のJ-10戦闘機を紹介。機首の両側にL字型の複数のピトー管を取り付けたという。さらに、L字型の場合には従来の形状のピトー管から得られる数値とは異なるので、計算を通じて修正することで、精度を確保していると説明した。
また、1990年の湾岸戦争で評価を高めたF-117A亜音速ステルス攻撃機の場合には、機首近くに4本の待機データ測定管を装備し、空気速度、バンク角(機体の左右の傾きの角度)や迎角(機体前後の上下の傾きの角度)など、機体のさまざまな状況を測定する機能を持たせたという。
ステルス性をさらに追求したF-35やJ-20では、ピトー管を機体外に突き出すのではなく機体開口部から気流を取り込み、機体内部で圧力を測定して、データ処理を施すことで速度を算出する方式を採用したという。
記事は、ピトー管を採用しない場合にも実証段階ではピトー管を取り付けて、データを収集すると紹介。J-20の場合にも原型機にはピトー管が存在し、機体設計が定まった後にピトー管の使用を取りやめたという。(翻訳・編集/如月隼人)
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