Record China 2019年10月18日(金) 19時30分
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平壌で15日に行われたサッカーW杯アジア2次予選の南北戦は異例ずくめだった。無観客試合でテレビ放送はなく、試合経過などもテキスト中継のみ。韓国紙は北朝鮮への怒りをあらわにしている。
平壌で15日に行われたサッカーのカタールワールドカップ(W杯)アジア2次予選の韓国対北朝鮮戦は異例ずくめだった。試合は0対0で引き分けに終わったが、無観客でテレビ放送はなく、試合経過などもテキスト中継のみ。韓国紙は「北朝鮮の行動は決して正当化されない」と怒りをあらわにしている。
韓国代表チームは中国の北京経由で平壌入りしたが、携帯電話の持ち込みが禁止されたため、北京の韓国大使館に預けた。北朝鮮は韓国の応援団や取材陣の入国も認めなかった。代表チームは平壌での1泊2日間、外部の世界と断絶して過ごしたという。
試合会場の金日成競技場は北の応援団で埋め尽くされると予想されていたが、4万人収容の観客席は無人。無観客試合が淡々と進行した。平壌で2005年に行われたW杯予選のイラン戦で観客の騒動があったため、次の日本戦が国際サッカー協会(FIFA)の指示で無観客だったことがある。しかし、今回のような「自発的」な無観客試合は前代未聞だ。
FIFAのランキングは韓国が37位で北朝鮮は113位。北朝鮮がホームで恥をかく姿を国民に見せないためにそのようにしたとの見方もある。北朝鮮は15日の引き分けを含めて韓国を相手に1勝7敗9分けと劣勢だ。
さらに北朝鮮がテレビの生中継を拒否したため、試合の途中経過などの韓国内への伝達方法も異様だった。平壌にいるキルギス国籍のアジアサッカー連盟(AFC)監督官が携帯電話のメッセンジャーを利用して警告や交代といった試合の状況をマレーシア・クアラルンプールのAFC本部に連絡。AFC本部が再び大韓サッカー協会に伝えて、協会はソーシャル・メディアを通じてファンに知らせた。
北朝鮮の対応について、中央日報は社説で「こうした事態の一次的な責任は言うまでもなく北朝鮮当局にある。北朝鮮側の態度は『ハノイ・ノーディール』以降から韓半島(朝鮮半島)情勢が自らの戦略通りに進まない状況で、対南非難の程度を高めて無視する行動の延長線にある」と指摘。「国際ルールとスポーツマンシップに基づいて進行されるスポーツ試合にまで政治的な理由で影響を及ぼす北朝鮮の行動は決して正当化されない」と批判した。
一方で社説は「韓国政府の低姿勢も大きな問題だ。政府は北朝鮮当局のあきれる行動に対しての直接抗議やFIFA、AFCを通した抗議にも非常に消極的だった」と言及。「ふさがった南北対話の出口を開こうというのが、政府の最大の関心事だったからだ。南北対話はしなければいけないが、不当な行動に当然すべき抗議さえもまともにできない結果が情けない事態をもたらした」と非難の矛先を文在寅政権にも向けた。(編集/日向)
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