Record China 2013年8月13日(火) 7時20分
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9日、日本の終戦記念日が近付くにつれて、安倍晋三首相が8月15日当日に靖国神社を参拝する可能性は低いということが様々な兆候から明らかになりつつある。写真は安倍首相。
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2013年8月9日、中国新聞社によると、日本の終戦記念日が近付くにつれて、安倍晋三首相が8月15日当日に靖国神社を参拝する可能性は低いということが様々な兆候から明らかになりつつある。しかし安倍首相は閣僚が個人の身分で参拝することは制止していない。専門家の分析によると、このことは安倍首相が中国政策に「政経分離」という考え方を持っていることを明らかにするものだが、こうした考え方は日中間の経済貿易協力関係に引き続き影響を及ぼしていくものとなる。
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「安倍首相が参拝しないことを選ぶとすれば、米国からの圧力が重要な原因だ」と中国商務部国際貿易経済合作研究院の金栢松(ジン・バイソン)研究員は分析する。また、「同時に中国や韓国などの関連する国を怒らせ、これらの地域の巨大な市場を失うことも、安倍首相がおそれていることの一つだ」と語った。
金研究員によると、タカ派の政治家である安倍首相は「本当は参拝したい」が、現実的な要素の制約があることから仕方なく参拝を諦めようとしているだけだという。米コロンビア大学の日本専門家、ジェラルド・カーティス氏の「安倍首相は実務的で現実主義的な頭脳を持っているが、心中には感情的なものを抱えている」という見解と一致する。
中国外交学院の周永生(ジョウ・ヨンション)教授は、「安倍首相は過去の日本政府の中国に対する政経分離政策を継承している」と指摘する。
安倍首相はこれまで多くの場面で、日本経済復活の過程では中国が重要な役割を演じることになると認めている。だが日中の政治関係の行き詰まりの打開に対しては、実質的な動きを見せてはいない。安倍首相は先日のフィリピン訪問で、「日中関係を戦略互恵関係の原点に戻すよう努力したい」、中国と「前提条件なしの対話をしたい」といった提案をしたものの、尖閣諸島などの核心問題に触れることによって、北京からは冷たい反応を受けた。
「安倍首相が望んでいるのは、日中間にかつてあった政冷経熱の状態を再び作り出すことだ。当時は、日中の政治関係がいかに悪化しようとも、日本は中国市場を通じて大きな利益を得ることができた」と周教授は分析する。
だがこうしたソロバン勘定が常に正しいとは限らない。「今は小泉時代とは違って、中国の消費者の心理と消費行為にも大きな変化が起こっている。日本の右翼勢力の行為は、中国国内の消費者に大きな影響を及ぼすようになった」と金研究員は指摘する。
中国の対外開放の継続推進と国内製造業の発展に伴い、中国を一度は席巻した日本製品はその魅力の代替不可能性を半減させている。日中両国の尖閣諸島の主権問題が拡大した際には、順調に伸びていた日系車の中国市場におけるシェアは急速に縮小し、ドイツ車に蚕食(さんしょく)された。この傾向は現在にいたるまで根本的に逆転していない。選択肢を増やし、購買力を強めた中国の消費者は、「メイド・イン・ジャパン」にとって手痛い勉強の機会を与えたと言える。
注目すべきなのは、「政冷経熱」の時期の日中関係が抱えていた歴史問題に比べて、現在の両国の争いは主権と領土という国家の根本利益にかかわっている。巨大な民意の圧力がかかるなか、この政治関係の難題が適切に解消されなければ、両国の経済関係だけを繁栄させることは難しい。
「事実、国際的な例を見ても、大国間の関係は単純な経済関係ではありえない」と金研究員は指摘する。「『政経非分離』が当たり前で、『政経分離』はむしろ異常。正常でない政治は遅かれ早かれ経済の足を引っ張ることになる」と続けた。
上述の観点はすでに事実によって証明されている。日本の尖閣諸島国有化によって引き起こされた中国国内の日本に対する民族的感情は、中国の日本企業と日中経済貿易関係に極めて大きな影響を与えた。去年通年で、日中の二国間貿易は3.9%のマイナス成長となり、中国本土の4番目の貿易パートナーという日本の地位は香港によって取って代わられた。こうした傾向は今年上半期も続いており、日中二国間貿易の総額は前年同期比9.3%減となった。世論では、尖閣諸島問題によって引き起こされた政治の行き詰まりが日中貿易総額の持続的縮小の重要な原因の一つであるという見方が一般化している。
日中間の政治的行き詰まりの「犠牲」となったのが、日中韓の自由貿易協定(FTA)協議の進展だ。日本と中韓との島嶼(とうしょ)問題が激化したことから、昨年11月に予定されていた日中韓FTAの第1回交渉は延期され、今年3月になってやっと実施された。中韓FTAに比べ、ハイレベル交渉と戦略的相互信頼に欠けた日中韓FTAの進展は遅れがちとなっている。
アベノミクスによって日本経済はいくらか好転しているが、来年の形勢は依然として未知数である。国際社会ではアベノミクスによって日本経済に巨大なバブルのリスクが生まれていると懸念する声もある。こうした状況下、安倍首相が依然として政経分離の考え方を続ければ、巨大な中国市場との関係を自ら断つことになるのは間違いない。そうすれば、中国との経済協力推進が阻まれるだけではなく、活力をまだ完全には回復していない日本経済にも影響を与えることになる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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