中国とインド、ヒマラヤ水系の水資源争奪戦が新たな紛争の火種に―英紙

Record China    2013年8月13日(火) 6時30分

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10日、ヒマラヤ山脈を水源とする河川でのダム建設による水資源の争奪戦が、中国とインドの新たな紛争の火種になっている。

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2013年8月10日、英紙ガーディアンによると、ヒマラヤ山脈を水源とする河川でのダム建設による水資源の争奪戦が、中国とインドの新たな紛争の火種になっている。12日付で環球時報が伝えた。

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インドやネパール、ブータン、パキスタンなどは現在、新たな発電資源を求め、ヒマラヤ水系でのダム建設計画を進めている。これらの国は合計で400カ所以上の水力発電所の建設を計画しており、総発電量は英国の使用電力の3倍以上に相当する16万メガワットにも達する。このうち、インドは今後20年間に水力発電所292カ所の建設を計画しており、完成すれば、流域約32kmに1カ所の割合でダムが存在する世界で最もダムの密度が高い地域になる。

一方、中国はこれらの河川の上流に位置するチベット地区に水力発電所約100カ所の建設を計画中だ。これらが完成すれば、中国はヒマラヤ山脈を水源とする河川に対する最終的なコントロール権を握ることになる。カナダの専門家は「チベット高原は多くの河川の源であり、世界の約半分がこれらの河川に依存している。ダムの過度な建設は最終的に災難をもたらすだろう」と警告している。

インドの地政学者Brahma Chellaney氏は「中国は大規模な水資源戦争を仕掛けている。自らがチベット高原の水域にダムを建設するだけでなく、パキスタンやラオス、ミャンマー、その他の地域に対してもダム建設のための融資を実行している」とし、「中印紛争はすでに領土から水資源に移り、水資源が新たな紛争の火種となっている」と指摘した。しかも、中国は巨大なダムを建設する能力を持っているだけでなく、様々な抵抗を排除する実力も備えており、「中国にとっては銃弾を1発も打たないで済む非常に効率的な戦いである」と分析している。

また、環境問題の専門家は、ダムの建設は洪水や地震を増加させる可能性があると指摘。また、ヒマラヤ水系の主要河川の水量は50年までに10〜20%失われる可能性があり、発電量に影響するだけでなく、この地域の政治的な緊張をさらに高めることになると危惧している。(翻訳・編集/HA)

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