Record China 2019年11月4日(月) 5時40分
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29日、環球時報は、米経済情報専門サイトのマーケットウォッチの記事を引用し、「中国が世界最大の抗うつ病薬市場になる見込みだが障害も大きい」と指摘する記事を掲載した。写真は上海の病院。
2019年10月29日、環球時報は、米経済情報専門サイトのマーケットウォッチの記事を引用し、「中国が世界最大の抗うつ病薬市場になる見込みだが障害も大きい」と指摘する記事を掲載した。
記事は、「米国では抗うつ薬が利益の多い大きな市場となっている」と説明。「18年の市場価値は137億ドル(約1兆4930億円)となり、25年には159億ドル(約1兆7330億円)に達する見込みだ」と紹介した。一方で、米国の4倍の人口を有する中国では、昨年の抗うつ薬の販売額は85億ドル(約9260億円)だったという。
しかし記事は、「近年では中国人もうつ病を含む心の病について以前より多く語るようになっており、これは大きな変化だ」とし、「うつ病などの心の病は、中国ではこれまで非主流化、スティグマ化されてきた。しかし、この10年で中国人のうつ病に関する議論や抗うつ薬の使用の面で大きな変化が生じてきた」と指摘。記者が北京市内にある数十店の薬局を訪ねたところ、約半数の店で抗うつ薬のエスシタロプラムシュウ酸塩が購入できたという。また、その他の抗うつ薬についても、処方せんなしで購入できた薬局がいくつかあったとのことだ。
ただ、今のところ中国ではこれらの薬物が広範囲に使用されてはいないとし、「改善されてきているとはいえ、中国ではうつ病に対する知識と治療がいまだに欠けている状況だ」と指摘した。世界健康調査(WHS)によると、中国ではうつ病患者の1%しか治療を受けていないが、米国ではその割合は35%に達するという。
記事は、「中国は糖尿病患者や肥満者が急増し、高齢化も急速に進むという公衆衛生の面で大きな問題に直面しているが、この人口大国において精神疾患は声なき公衆衛生問題であり、数百万人がこの苦痛を今まさに味わっている」と論じた。
中国の専門家は、「議論を促すことで人々のうつ病に対する羞恥心を減少させるべきで、医師も不安障害や心の健康に関するスクリーニングを増やすべき」と提言しているという。この面で、「西側諸国の製薬会社は、この潜在力のある巨大な市場のニーズを喜んで満たすだろう」と記事は結んだ。(翻訳・編集/山中)
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