海外旅行は民間外交、国家のイメージ形成と深く関わる―日本旅行業協会

Record China    2013年8月29日(木) 13時40分

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27日、日本旅行業協会(JATA)の統計データによると、2012年の日本人海外旅行者数は延べ1849万人を上回った。資料写真。

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2013年8月27日、日本旅行業協会(JATA)の統計データによると、2012年の日本人海外旅行者数は延べ1849万人を上回った。日本人観光客は「身なりが清潔」「礼儀正しい」「時間を守る」などの特徴から、世界の各業界団体による調査においても、「世界で最も優秀な観光客」であると評価されている。だが、海外を訪れる日本人観光客の印象は、昔からこのように良いものではなかった。日本人の海外旅行ブームが起こり始めた数十年前は、海外でさまざまな問題を引き起こし、各国から不満の声が上がっていた。日本人海外旅行者の素養がどのようにして改善されたかについて、JATA関係者に話を聞いた。人民日報が伝えた。

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JATAの越智良典・事務局長は、「日本人の海外旅行が解禁されたのは、東京オリンピックが開催された1964年のことで、来年で海外旅行自由化50周年を迎える。現在の中国人観光客をめぐる数々の問題は、かつては日本も直面した問題だ」と指摘した。

越智氏はまた、「海外を訪れる日本人観光客に見られたマナー違反は、日本人が外国の生活習慣を知らないことが原因で起こった。例えば、ホテル客室の利用については、日本人の海外旅行が解禁された当時は国内の宿泊施設の多くが和式旅館だったため、欧米式客室を利用した経験のある日本人はほぼ皆無だった。海外旅行の添乗員は、ツアー客全員の客室を『巡回』し、客室内の各設備の使用方法や基本的マナーを説明して回ったものだ」と続けた。

JATA国内・訪日旅行推進部の興津泰則部長は、「当時、ほとんどの日本人は、和式旅館を利用する時と同じように、浴衣・スリッパ姿で客室の外に出たり、あるいは浴室の浴槽のお湯を出したままにしていたが、これらは欧米のホテルでは完全なマナー違反行為だった。国が違えば生活習慣も異なる点が多い。海外に出かける時には、自国と外国の風俗習慣の違いをつぶさに調べ、『郷に入っては郷に従う』を実践するよう心掛けることは、大変重要なポイントだ」と話した。

越智氏は、「海外旅行は関連業界に利益をもたらす商業イベントで、金儲けの手段にすぎない、という見方だけでは不十分だ。実のところ、国民の海外旅行は国家のイメージ形成にとって極めて重要な役割を果たしている。日本の旅行業界の間では、『国民の海外旅行は民間外交の一つであり、国家のイメージ形成と深く関わっている』との意識がかなり浸透している。しかし、中国の海外旅行業界は、この点での認識に欠ける部分があるのかもしれない。海外を訪れる観光客ひとりひとりが、海外旅行を『個人のレジャーにすぎない』と見なすことをやめ、各人の良からぬ行為が全て国家イメージにマイナス作用をもたらすことを肝に銘じる必要がある。観光客は、自分自身が『民間外交官』であることを自覚すべきで、国家の顔に泥を塗るような恥ずべき行為を慎み、さらには良好な国家イメージ形成のために努力すべきだ」との見方を示した。

越智氏はさらに、「日本では学校教育の場で公共意識を養うことを非常に重視している。例えば、学生は学校教育を通じて、『時間を守る』『順序良く並ぶ』『公の場では大きな声を出さない』などの好ましい習慣を身につけている。中国政府が提唱している『マナーを重視し、新風を起こそう』活動は、重要な意味を持ち、好ましい公共秩序や社会的習慣の形成に効果的だが、好ましい公的秩序を根本的に見につけさせるには、学校教育において、『時間を守る』『秩序を保つ』などの良い習慣を子供たちに徹底的に教え込む必要がある」と指摘した。

興津氏は、「中国人観光客の素質はこれまでに大幅に高まった。特にショッピングの時のマナーは顕著に向上している。5、6年前は、銀座で買物をする中国人はあたり構わず大声で話をしていたが、今ではぐんと声を抑えて会話するようになった」と述べた。

全日空中国室の朱金諾(ジュウ・ジンヌオ)常任理事は、「航空会社も中国人観光客が時間にルーズなことについて頭を悩ませてきた。今後、より多くの海外を訪れる中国人観光客が『周囲の人に迷惑をかけない』ことを最も基本的な常識として心に留め、『時間に対する自己管理をしっかり行う』『他者にも自分自身にも便宜を図る』などを実践することで、中国人観光客の素養がますます高まることを期待している」とコメントした。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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