人民網日本語版 2019年12月1日(日) 20時0分
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日本で果物の価格が非常に高いことは世界でもよく知られている。写真は日本のスーパー。
日本で果物の価格が非常に高いことは世界でもよく知られている。普通のスーパーでもブドウ1房が数十元(数百円)するし、小さなメロンは100~200元(約1500~3000円)で、高級果物専門店の果物や特大イチゴ「美人姫」、香川県産の「四角いスイカ」といったブランド果物となるとなおさらだ。日本ではびっくりするような値段の果物は珍しくなく、老舗高級果物店では贈答用の果物を見た人が「貧乏であれば想像力にブレーキがかかる」とため息をつく。日本では果物は単なる食べ物ではなく、独特な意味と文化的背景も与えられている。環球時報が伝えた。
筆者は中国に暮らしていた頃、毎年夏になると半分に切ったスイカを抱えてがつがつ食べるのが楽しみだった。これは中国ではよくある光景だ。しかし日本に留学すると、スイカは食べられなくなった。スーパーで売っているスイカは小さなものでも100元近く、少し大きくなると200-300元もしたからだ。三角形や四角形など特殊な方法で栽培した「スイカの貴族」には全く手が届かない。1粒50元もするイチゴは珍しくないし、高級品種「美人姫」は1粒で3000円のものもあり、ダイヤモンドの価格に匹敵する。石川県産のブドウ「ルビーロマン」は競りで1房が8万元(約120万円)近くになったことがあり、マンゴー「太陽の子」も3万元(約45万円)近い値を付けたことがある。さらに、夕張メロンは16年に20万元(約300万円)で売られたものが2個あった。メディアは、「高級メロンの価値は自動車に匹敵する」と伝えた。
果物はなぜ高価なのか。栄養面の価値が原因の1つに挙げられるが、より大きな原因は日本人が高級果物を返礼品や贈答品とし、果物に感謝や尊敬の気持ちを託すことにある。日本の多くの家庭には仏壇に供え物をする習慣があり、果物はお供えとして神聖で特別な意味を与えられる。また江戸時代以降、お中元やお歳暮の季節になると、日本人は高級果物を返礼品や贈答品にしてきた。その場合は高級果物店に行って立派な果物を選び、上司やお世話になった人に贈る。贈り物になる果物は味も見た目も優れたブランド果物であるだけでなく、パッケージも非常に凝っていてぜいたくだ。例えば、200年近い歴史のある千疋屋は有名な老舗高級果物専門店で、ここで売られている果物は一般の消費者の感覚では非常に高い。パッケージは贅を凝らし、高価な木箱に果物が宝石のように並べられ、生産証明書も添えられ、果物を宝石のように大切に扱って販売している。千疋屋は日本各地に多くのチェーン店を展開し、どの店も高級デパートなどの中にあり、果物を買い求める人が引きも切らない。日本人が果物に対し極めて大きなニーズがあるため、日本の高級果物市場は繁栄し、農業従事者も珍しい高級品種の開発をより重視するようになった。
果物の品質とパッケージに非常にうるさい日本人は、実は普段はあまり果物を食べない。特に若い人の果物摂取量の少なさには驚くばかりだ。日本の厚生労働省が行った調査の結果によると、日本の30歳前後の男性は基本的に果物を食べない。ツイッターでは多くの若者が、「どうして果物を食べなくちゃいけないのか。そもそも高くて買えない」とか、「野菜や主食に比べて果物は高すぎる」などとつぶやく。筆者が周囲の日本人にたずねてみたところ、「普段はわざわざ果物を買いに行かない。栄養を取るなら、ジュースや栄養ドリンクでいい」という答えが返ってきた。日本で好きなだけ果物を食べるのは「ぜいたく」なことだ。人気がある比較的安価な果物はバナナで、ほとんどがフィリピンからの輸入品だ。
日本国産の果物は相対的に高価で、これは一つには国土面積が狭い上に山地や丘陵地帯が多く、果物を栽培できるところが限られ、全体として生産量が少ないからだ。また一つは日本は人件費が高く、東京都の最低時給は平均70元ほどで、これが果物の生産コストを引き上げるからだ。このほか果物産業がブランドと品種の研究に熱心で、果物に非常に大きなブランド的付加価値が付与されていることもある。
日本は果物輸入大国だが、輸入手続きは複雑で、品質への要求も厳しく、関税率は高い。これは農民の収入を保護するための1つの方法でもある。
また輸入商品の日本への輸送コストは高く、これにパッケージ・加工の費用が加わり、市場に出回る時には価格が2倍に跳ね上がる。こうしたわけで日本に留学する学生や観光客が日本の果物は高すぎると考えるようになり、安い果物を手に入れたいと思っても難しいようだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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