中国で年収3200万円の外国人パイロットの仕事が枯渇―シンガポール紙

Record China    2019年12月19日(木) 8時30分

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16日、シンガポール紙ストレーツ・タイムズはこのほど、「ボーイング737MAXの運航停止後、中国で年収30万米ドルのパイロットの仕事が枯渇」とする記事を掲載した。資料写真。

2019年12月16日、中国紙・環球時報によると、シンガポール紙ストレーツ・タイムズはこのほど、「ボーイング737MAXの運航停止後、中国で年収30万米ドル(約3200万円)のパイロットの仕事が枯渇」とする記事を掲載した。以下はその概要。

中国の航空会社でボーイングの一番人気の航空機を操縦する外国人パイロットは、経験豊富なパイロットが不足しているおかげで、以前は年収30万米ドルと各種手当が支払われる数十の求人の中から自由に選択できた。だがそうした状況は、737MAXの運航停止により一変している。

転職エージェントによると、737MAXが2回の墜落事故を起こして運航停止になってから9カ月が経過し、中国の航空会社は、このボーイングのナローボディ機を操縦する外国人パイロットの採用をほぼ停止している。中国の航空会社は依然として、米国の民間パイロットの平均給与の数倍もの高報酬を支払っている。だが運航停止の影響は、そうした職位にも及んでいる。

中国の成長する中間所得層は、この国を今後10年間で世界最大の航空市場となる軌道に乗せている。中国の多くの航空会社にとって、737のような短距離用の航空機は、旅行ブームの中で優先的な選択肢だ。中国は長い間、パイロット不足に悩まれてきた。2016年末時点で中国の航空会社は1000人以上の外国人パイロットを抱えているが、これは10年の2倍に当たる数字だ。外国人パイロット派遣会社のWasincと航空業界専門求人のAeroPersonnelによると、中国におけるパイロット需要は、737については弱化しているものの、他の多くのエアバスモデルでは衰えていない。上海吉祥航空は、30〜53歳のエアバスA320のパイロットに年収29万9000米ドルを提供している。

広州に本拠地を置くパイロットエージェントのトニー・リュー氏は、「現在もパイロットを募集している中国の航空会社はますます選り好みするようになってきている。航空会社は特に、パイロットの飛行評価上のエラーを快く思わない。本当にここで働きたいのなら、かなり良い準備をしなければならない」と話している。

中国はまた、外国人パイロットへの依存を減らそうともしている。中国民間航空局によると、18年末時点の中国の商用パイロットライセンス取得者数は6万1492人で、14年時点に比べて54%増加しているが、それでもまだ十分ではない。(翻訳・編集/柳川)

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