人民網日本語版 2020年1月1日(水) 14時30分
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日本のあるテレビドラマの最新シーズンで、来店した「中国人客」が会計をする際に、日本のレストラン経営者をよく慌てさせるフレーズを口にするシーンがあった。
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「そっちがスキャンしますか?こっちがスキャンしますか?」
当たり前のようにQRコードスキャンをしようとすることは、日本ではどうやらすぐにその人が中国人だと分かる中国人共通の動作になっているようだ。
■中国人の「QRコードスキャン」に対するこだわりで日本の店にも変化
その根本的な背景を探ってみると、一つの基本的な事実が浮かび上がる。それは、中国人の間でモバイル決済がすっかり普及しているということだ。その姿は、依然として従来の決済方法をやめようとしない日本において、当然ながらとても出し抜けに映る。
実際のところ、このテレビドラマでの描写はそのうちの一つにすぎない。日本人はさまざまな角度から、「スキャンして会計をするのは中国人」という見分け方をとうに編み出している。2015年頃、路上の焼き芋屋でも微信支付(WeChatペイ)や支付宝(アリペイ)に対応しているという写真が日本で拡散され、中国でモバイル決済がここまで普及していることが日本人を大いに驚かせた。
2015年は、為替相場が円安になったことで、中国人観光客が先を争うようにして日本へ「爆買い」に出かけた一年だった。そのため、中国と日本の決済方式の「衝突」もその頃から激しくなり始めたと言っていいだろう。
当時、日本のほとんどの中小店舗や公共施設はモバイル決済に対応していなかった。日本の習慣をよく知らない多くの中国人観光客が現金を持っていなかったために買い物ができずに割を食った一方で、本来なら成立していたはずの商品取引が行われず、店側としても多くの経済利益を得る機会を損失することになった。
中国人観光客が毎回口にする「どこをスキャンするの?」という心の底からの質問を前にして、モバイル決済に対応しないという立場を堅持していた多くの日本の業者も持ちこたえられなくなり始めた。
最初に行動を起こしたのは大型デパートで、それを機に大きな実益を得た。それからはモバイル決済なしの「原則を堅持」していた店舗や政府機関も徐々に抵抗するのをやめていった。モバイル決済について解説するさまざまな記事や自身の体験によって、彼らも中国人の「スキャンできないの?じゃあ買わない」という「QRコードスキャン」へのこだわりをはっきりと理解するようになったからだ。
しかし、もし今年また日本へ旅行に行ったとしたら、状況がまったく変わっていることに気づくだろう。
■「キヨーキヨ」に興味津々の日本人
日本の業者はすでに「微信支付」と「支付宝」の威力を実感しているものの、早く始めなければというプレッシャーがビジネスから一般の人々にまで浸透するには、まだある程度時間が必要だ。
ほとんどの一般市民のモバイル決済に対する態度は、「好奇心」が大きい。自分が懸命に財布をひっくり返して小銭を探している間に、中国人がスマホを出して「ピッ」とするだけで支払いを済ませてしまうのを見ているうちに、いつの間にか好奇心が芽生え、いったいどんなものなのか知りたくなったのだ。多くの人がまず好奇の目を向けたのは、支付宝と微信支付のQRコードの下に必ずある「扫一扫」という文字だった。
「扫」は中国の簡体字で、日本人には読めない。しかし、日本語のカタカナのうち2文字がこの字と非常によく似ている。それは「キ」と「ヨ」だ。その結果、こんな愉快なエピソードが生まれた。
日本のネットユーザー:
「中国に来てから一番ウケたのはこれ。『キヨーキヨ』ってなんの意味だろうと思ってたら、中国語の『SAO YI SAO(スキャンしてください)』のことなんだって!」
この「扫一扫」というフレーズは中国人の間では頻繁に使われているため、日本の多くの中国語学習サイトでもこれに対応した内容を掲載し、間違いやすいポイントとして解説している。
■モバイル決済はこの先日本でどうなっていくのか
電子決済が日本で普及しない現実的な原因の一つは、日本ではコンビニの決済システムが発達していることだ。
ネットショッピングが台頭し始めた頃、消費者のニーズを満たすため、コンビニは手軽に支払いができるオンライン決済サービスを始めた。日本ではコンビニが非常に普及しているため、多くの人はその時からコンビニのATMでオンライン決済をすることが習慣になった。
コンビニが普及していたがために、ネットショッピングが急成長した時期に、日本のモバイル決済産業は絶好の成長機会をみすみす逃してしまうことになったのだ。もう一つの原因は、モバイル決済がもたらすと考えられる関連リスクに対する懸念が挙げられる。
時代は常に前へと進んでいく。日本人がさまざまな理由でモバイル決済を使わないとしても、日本の業者は中国人観光客の勢いに押されて多くの変更措置を取っている。
日本において、モバイル決済の習慣が最終的に中国のように普及するかどうかは今のところ分からない。しかし、現在の発展状況を踏まえると、このフレーズだけは正しいと言えるだろう。「時代は変わった」のである。(提供/人民網日本語版・編集/AK)
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