中国共産党五中全会、成長率下げて「中所得国のわな」乗り切る―独メディア

Record China    2020年9月30日(水) 8時40分

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独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは28日、中国共産党の重要会議「五中全会」に関連し、「成長率を下げて中所得国のわなを乗り切る」とする記事を掲載した。写真は上海南駅。

独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは28日、中国共産党が10月末に開催する党の重要会議「19期中央委員会第5回全体会議(五中全会)」に関連し、「成長率を下げて中所得国のわなを乗り切る」とする記事を掲載。ロイター通信の報道を引用する形で次のように伝えている。

中国国営新華社通信によると、10月26日から29日まで開催される五中全会で、習近平(シー・ジンピン)指導部は、2021~25年の経済と社会の発展目標「第14次5カ年計画」制定について討議する。

消息筋によると、中国の政策決定者は、柔軟性を高めるために経済成長目標の制定を放棄すべきかどうかをめぐり党内で議論した後、5年間の成長目標を設定することは依然として中所得国の罠を超えて世界第二の経済を導くために不可欠であると考えている。

この目標はまた、幅広い問題をめぐって米国との間の亀裂が深まる中、地方政府が発展目標に集中し続けることを維持するためのものだ。目標がなければ、発展の方向性は確保できない。

政府のシンクタンクとエコノミストは、国内総生産(GDP)の平均年間成長率目標を「約5%」とするよう勧告している。

中国は、今年終了する第13次5カ年計画で年平均6.5%以上の成長を目標としている。

一部の政府顧問は、債務による刺激への依存を減らし、より生産的な投資を促進するため、公式の成長目標を廃止すべきだと主張している。改革派は、習氏が提唱する「双循環」戦略が、改革を加速して内需を刺激し、新たな成長エンジンを解き放つ機会になることを望んでいる。

一部のエコノミストは、中国政府が約3%の暗黙の目標を維持していると疑っていたが、中国は今年5月、新型コロナウイルス感染症の影響により遅れて開催された全人代で、今年の成長率目標を設定しなかった。年間の成長率目標を示さなかったのは18年ぶりだ。

中国の第14次5カ年計画は、21年初頭の両会期間中に正式発表される予定だ。UBSのアナリストは、21~25年の5カ年計画について、「中国政府は、明確な成長目標を設定しないか、より低くより柔軟な(例えば約5%)成長目標を設定する」との見方を示している。

中国は、米国が貿易やテクノロジーなどの分野への圧力を強め、中国との関係を切り離す「デカップリング論」で脅かしているため、上昇を維持するための逆風の高まりに直面している。

だが中国が、生産性の向上と高付加価値産業へのシフトに苦労しているアルゼンチン、ブラジル、南アフリカなどの国々に降りかかった中所得国の罠を回避するには、年間約5%の成長で十分だ。

世界銀行は、高所得国を1人当たり国民総所得(GNI)が1万2535ドルを超える国と定義している。中国のGNIは現在1万410ドルに達している。

中国国務院発展研究センターは最新のリポートで、中国が24年までに高所得国になり、32年までに世界最大の経済国として米国を追い抜くと予想している。

リポートは、中国のGDPが今年は1976年以来最も低い2〜3%増となり、2021年には7%増以上に回復するとみているが、長期的な傾向として、人口の高齢化と経済の成熟により成長の速度は遅くなるだろう。(翻訳・編集/柳川)

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