五輪の南北共同誘致、期待高まる韓国政府と周りに温度差?

Record China    2020年1月23日(木) 9時50分

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21日、韓国・朝鮮日報によると、韓国政府は21日の閣議で、2032年夏季五輪のソウル・平壌共同招致・開催推進計画を確定した。写真は文大統領(韓国大統領府Facebookアカウントより)。

2020年1月21日、韓国・朝鮮日報によると、韓国政府は21日の閣議で、2032年夏季五輪のソウル・平壌(ピョンヤン)共同招致・開催推進計画を確定した。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、18年9月の南北首脳会談で五輪の共同招致・開催に合意している。南北共催五輪に向けた基本方向と計画を確定し関連措置を迅速に施行するという内容を盛り込んだ計画案が閣議を通過したことで、「韓国政府が北朝鮮と共に五輪招致活動を行える法的根拠ができた」と、記事は説明している。

文大統領は、7日の新年の辞で「32年の五輪南北共催は、南北が一つの民族であることを世界に示し、共に跳躍する絶好の機会となるだろう」と述べ、「必ず実現できるよう、持続的なスポーツ交流を通じ、力を集めてもらいたい」と呼び掛けていた。

しかし記事は、こうした韓国政府の動きや文大統領の期待とは裏腹に「南北、米朝関係はこう着状態を脱していない」「韓国側が何度も南北協力構想を示しているのに対し、北朝鮮側は反応していない」と指摘している。さらに、女子サッカー北朝鮮代表が2月に済州(チェジュ)島で開催される東京五輪3次予選への出場を辞退したこと、昨年10月に平壌で行われた男子サッカー南北戦(カタールW杯アジア2次予選)が無観客、生中継なしとなったことなどを挙げ、「事実上、南北間のスポーツ交流は滞っている」としている。

また、海外メディアが南北共催の可能性に否定的な見方を報じていることも、記事は伝えている。米ワシントンポストは「南北関係、北朝鮮人権問題、外国人観光客・記者の安全問題を考慮すると、現実性が乏しい」「絵に描いた餅(pie in the sky)」だと評しており、「北朝鮮に対する認識において、文大統領は『ラ・ラ・ランド』(夢の国)のような別世界に住んでいる」という米NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのフィル・ロバートソンアジア局副局長の厳しいコメントも紹介したという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「国際的な赤っ恥だ」「夢ばかりを食べて生きている」「海外メディアにまで批判されるなんて」など、文大統領批判の声が殺到している。

その他、「北朝鮮は五輪共催などする気はないだろうし、するお金もないはずだけど」「どうせ政権が変わったら全て白紙化されるのでは」などのコメントも見られた。(翻訳・編集/麻江)

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