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安倍首相、現実主義外交に方針転換する可能性―中国メディア

Record China    2013年10月20日(日) 10時48分

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17日、安倍首相は靖国神社参拝を断念し、「内閣総理大臣」名で「真榊」と呼ばれる供物を私費で奉納した。安倍首相が客観的情勢に迫られて価値観外交から現実主義外交に方針転換する可能性があることを示す兆しだ。写真は靖国神社。

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2013年10月17日、環球時報によると、安倍首相は靖国神社参拝を断念し、「内閣総理大臣」名で「真榊(まさかき)」と呼ばれる供物を私費で奉納した。また外交問題が緊迫化する中での参拝は「時期的に適切でない」と表明。15日の所信表明演説では憲法改正や集団的自衛権の問題に言及しなかった。安倍首相が客観的情勢に迫られて価値観外交から現実主義外交に方針転換する可能性があることを示す兆(きざ)しだ。(文:凌星光(リン・シングアン)福井県立大学名誉教授)

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安倍氏は首相に返り咲いて以来、価値観外交を積極的に推し進め、中国周辺国をくまなく回って「中国の脅威」を宣伝。日本の技術とインフラを売り込むと同時に、「中国の対外拡張を共同抑制する」ための抱き込み活動を積極的に展開してきた。先日のASEAN首脳会議では元々、米国と共に大きな働きをして、ASEAN諸国の支持の下で中国に「行動規範」を受け入れさせることを望んでいた。だが予想と異なり、ASEANの多くの国は中国の主張を受け入れ、日米の主張に共鳴したのはフィリピンだけという結果に終わった。そのフィリピンの大統領も李克強(リー・カーチアン)首相と直接会って話をした後、対中関係を改善する意向を表明した。日本は相対的に孤立状態に陥ったと言える。

自民党で安倍首相と同じ派閥の野沢太三元法務大臣は以前筆者に「安倍首相は自分の考えに固執する人ではなく、状況を見て現実主義外交を行うだろう」と語った。この指摘から見て、安倍首相は現在、現実外交へ転換する要の時にあるようだ。日本メディアの論調を見ると、その原因として以下の3点が挙げられる。

第1に、安倍首相と日本のメインストリームは日本の力を過大評価し、経済援助カードを出せば中国周辺国を抱き込んで中国に圧力を加え、譲歩を余儀なくさせることができると考えていた。だが各国は経済援助は歓迎したものの、中国牽制には別に興味を示さなかった。その上、中国は日本のつまらない策略を無視し、後から打って出て日本を制し、王道方式で日本外交の余地を狭めて、日本を手の打ちようのない状況に追い込んだ。

第2に、中韓が連携して日本に圧力を加えた。日韓間には様々な問題があるが、韓国は朝鮮の脅威に直面しており、日米、米韓軍事同盟の枠組みから逸脱することは決してないと日本はずっと考えていた。だが今や、中韓両国は戦争認識問題で「統一戦線」を結成して、日本に大きな圧力を感じさせている。

第3に、米国は日本よりも中国を重視している。6月の8時間におよぶ習・オバマ会談によって、米国が中国をより重視していることが明らかに示された。先日のAPEC首脳会議とASEAN首脳会議にオバマ大統領が出席しなかったのは、中国指導者との対立を回避するためだった可能性があり、日本知識界は日米安保条約への懸念を深めた。

それでもわれわれは、安倍首相とそのブレーンの中国との対立の意図をしっかりと推し量る必要がある。安倍首相のブレーンの1人、北岡伸一氏は最近、現在の日本にはかつて軍国主義を歩ませた条件が当てはまらないが、中国には当てはまると指摘した。昨年9月以降中国の講じた反撃措置および極めて大規模な軍事演習は日本に重大な衝撃を与え、中国が平和的発展路線を継続しない可能性を懸念する声が日本人の間で一般的になった。北岡氏の論調は欺瞞的であり、中国はこれを等閑視してはならず、理論闘争を強化しなければならない。

筆者は一貫して、日本に安定政権さえ登場すれば、日本外交を戦略的に検討する余地が生じると考えてきた。安倍政権は長期政権になる可能性が高く、戦略的に日中関係を調整する好機にあると言える。われわれは安倍首相の右派としての本質に目を向けると同時に、客観的情勢に迫られて現実主義に転換する可能性にも注意を払う必要がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/TF)

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