Record China 2020年2月21日(金) 11時50分
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新型肺炎の余波で旅行消費心理が冷え込む中、韓国の航空業界ではソウル発大阪行きの片道570円の航空券が登場した。簡単に運航を停止できない事情もあり、韓国紙は「涙の投げ売り」と報じた。資料写真。
新型肺炎の余波で旅行消費心理が冷え込む中、韓国の航空業界では超低価格の爆弾セールが始まり、ソウル・仁川国際空港発大阪・関西国際空港行きで片道6000ウォン(約570円)の航空券まで登場した。既得権の問題も絡んで簡単に運航を停止できない事情もあり、朝鮮日報は「涙の投げ売り」と報じた。
同紙によると、2月は通常なら繁忙期に属するが、新型肺炎の感染拡大懸念から旅客需要が急減。LCC(格安航空会社)のイースター航空は仁川~大阪区間の片道運賃を6000ウォンに、仁川~東京の片道運賃は1万5000ウォン(約1390円)に定めた。正常運賃はそれぞれ27万ウォン(約2万5000円)、31万ウォン(約2万8800円)で、その2.2~4.8%の価格ということになる。平日の乗客が少ない時間帯だけでなく、週末も同じ価格だ。
運賃以外に追加される燃油サーチャージは8300ウォン(約770円)、航空施設利用料は2万8000ウォン(約2600円)。計4万2300ウォン(約3900円)で仁川発大阪行きの片道航空券を購入することができる。運賃と燃料サーチャージを足した額(1万4300ウォン=1330円)より航空施設利用料のほうが高い。
同じLCCのティーウェイ航空とチェジュ航空も似ている。ティーウェイ航空は仁川~大阪の片道が1万ウォン(約930円)、仁川~東京の片道が2万ウォン(約1860円)、チェジュ航空は仁川~大阪の片道が2万ウォン、仁川~東京の片道も2万ウォンなどとなっている。
旅客機を運航する際にかかる変動費の項目は、燃料費や社員の飛行手当、現地滞在費など。1万~4万ウォン台の輸送価格では燃料費にもならないというのが航空業界関係者の説明だが、予約率が高くないからといって、簡単に運休を決めることもできない状況だ。航空機を止めておくだけでも駐機費用がかかる上、スロット(特定の時間帯に空港を利用する権利)を別の航空会社に奪われてしまう可能性があるため、既にスケジュールの決まっている路線の運航を中止するのは容易ではないというわけだ。
LCC関係者は「運休を決める際に最も心配されるのはスロットの既得権問題」と指摘。「単に費用の問題だけでなく、航空会社の競争力とも複雑に絡み合っているため、予約率が上がらない路線でも簡単に運休を決めるわけにいかない」と苦しい胸の内を明かした。
過去にSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)が発生した際も、旅客需要は落ち込んだ。航空業界関係者は「結局、旅行消費心理が改善しなければ、業況も反転しないため、低価格の航空券で集客しようとしているが、それさえも容易ではない」と先行きを不安視している。(編集/日向)
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