〈一帯一路実践談6〉2014年協力28年後にキジル千仏洞世界遺産!

小島康誉    2020年2月29日(土) 16時10分

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1986年キジル千仏洞を参観し「人類共通の文化遺産」と直感。1987年11月「日中友好キジル千仏洞修復保存協力会」を設立。写真は第二次贈呈式。

1986年キジル千仏洞を参観し「人類共通の文化遺産」と直感。保存にと10万元を寄付。中国政府が巨費を投じて本格的修復を行うことになり、日本で浄財を募り1億円を寄付すると申し出た。1987年11月「日中友好キジル千仏洞修復保存協力会」を設立。

翌月より「人類共通の文化遺産を後世へ」をスローガンに募金を開始したが敦煌莫高窟と違って殆どの方がキジル千仏洞をご存知なく募金は難渋。新聞・テレビなどに報道を要請。募金に奔走した。多くの皆さんの尽力を得て募金は少しずつ積み上がった。

1988年4月28日、新疆人民会堂で黄宝璋新疆政府副主席列席のもと、第一次贈呈式を行ない、トラック等8台2701万円相当と現金3500万円の計6201万円を贈呈した。黄副主席から「1700年の歴史あるキジル千仏洞への修復資金贈呈は、日本人の人類共通の貴重な歴史文化遺産への関心を表し、中日両国人民の友誼の表れである」と挨拶があった。

1989年8月30日、新疆人民会堂で王恩茂全国政協副主席列席のもと、第二次贈呈式を行ない、現金4343万円を贈呈した。二次にわたり3000をこえる個人や企業からの浄財1億544万円を新疆政府に寄贈することができた。2回の贈呈式には日本から松原哲明協力会副会長や筆者らが参加した。王副主席からは「貴方は中日人民の友誼と文化交流の使者として、キジル千仏洞を修復し貴重な歴史文化遺産を保護するために、3年近く苦労を厭わず1億円という巨額を贈呈し、たいへん大きな貢献をした、中国新疆の各族人民は忘れることはできない」と親書をいただいた。協力いただいた方々に感謝を込めて報告書をお届けした。

本格的工事を開始した。石窟外壁や壁画保護には敦煌莫高窟などから専門家を招いた。キジル千仏洞は輝きを取り戻した。その後も世界的文化遺産保護の重要性を理解いただくため参観団を度々派遣。また職員通勤用バスや飲料水浄化装置贈呈なども行ってきた。

(写真は修復保存工事中のキジル千仏洞谷西区)

2014年6月22日、カタール・ドーハでの第38回世界遺産会議で「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」のひとつとしてキジル千仏洞は世界文化遺産となった。PC生中継を見続けていた筆者と妻は「万歳!」と叫んだ。修復保存協力を開始して28年後のことであった。15年と16年に写真集『新疆世界文化遺産図鑑』中文版・日文版を出版した。

(写真は修復保存工事中のキジル千仏洞第8窟)

2016年9月にはキジルで「小島氏新疆文化文物界投身30周年記念座談会」と「同写真展」が開催された。17年10月NHK「シルクロード・壁画の道をゆく」が人気を博した。18年にも参観団を案内、保護の重要性を訴え続けている。

■筆者プロフィール:小島康誉

1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。66年宝石専門店を起業し上場企業に育て上げ、96年創業30周年を機に退任。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在、佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府文化顧問。編著『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』など。日本「外務大臣表彰」・中国文化部「文化交流貢献賞」・中国人民対外友好協会「人民友好使者」ほか受賞多数。

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