就職活動が非接触型オンライン化、「パジャマで面接」も―中国

人民網日本語版    2020年3月9日(月) 9時10分

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新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、今年は企業が春節連休明けの仕事再開を遅らせ、大学も授業再開を遅らせている。写真は封鎖されている武漢の集合住宅。

新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、今年は企業が春節(旧正月、今年は1月25日)連休明けの仕事再開を遅らせ、大学も授業再開を遅らせている。春の就職シーズンが感染に重なり、新卒生の就職活動に支障は出ていないだろうか。中国新聞網が伝えた。

■「非接触型就職活動」が主流に

春節が終わり、大学院や公務員の試験に落ちた人、その前の秋の就職シーズンでうまくいかなかった人、内定はもらったが満足できない人、留学から帰ってきたばかりの人はみな、春の就職シーズンの就活に励むことになる。

面接を受けるため、パジャマを着たままスーツケースの中の化粧ポーチを開け、春節以来初めて化粧をしたという人がいる。面接の30分前になっても布団の中で携帯電話をいじっているという人もいる。面接官と直接顔を合わせないのをいいことに、上半身はリクルートスーツで決めているが下半身はパジャマのズボンという人もいる。

このような現象が起きたのはなぜか。今年は例年と異なり、オンラインでの「非接触型面接」が主流になり、企業が相次いでオンライン筆記試験やオンライン面接を実施したからだ。

たとえば、騰訊(テンセント)、阿里巴巴(アリババ)、網易、華為(ファーウェイ)、蘇寧、百度(バイドゥ)などの大手企業が春の採用活動をオンラインに切り替えた。中国移動や中国建設といった多くの中央企業(中央政府直属の国有企業)も新卒生に向けてオンライン求人を行い、遠隔でのオンライン面接に対応している。

21日に河南省人材交流センターが発信した内容によると、調査研究の対象となった雇用機関334カ所のうち、93.1%が「インターネットで春の採用活動を展開する」と答え、48.9%が「求人広告、オンライン説明会、動画マッチング会などの方法で春の採用活動を展開する」と答えた。

複数の就職支援プラットフォームがまとめた報告でも、企業のオンライン面接の採用率の高さがわかる。智聯招聘の調査研究報告書によると、「55%の企業がプラットフォームに動画面接サービスを提供してもらいたいと希望している」という。58同城の調査研究報告書も、「70%の企業の採用担当者が動画面接に積極的な態度を示している」と伝えた。

■複数の当局が「クラウド就職活動」の支援に乗り出す

2020年には、大学の新卒生の規模が874万人に達し、過去最高を更新したのに加え、就職浪人の存在もあり、感染症という突破的事態の影響により、新卒生の就職にかかる圧力が増大している。

2月初めに人的資源・社会保障部が通達した通知によると、各地域の事業機関に対して、公開での採用活動を確実に必要とする場合に、電話、動画、インターネットなどの同じ場所にいて実際に接触することのない方法をできる限り採用して、関連の作業を行う必要がある。オンライン求人サービスの取り組みを強化し、オンライン面接の推進に力を入れ、求人をする企業と仕事を求める労働者との「ポイント・ツー・ポイント」の直接的マッチング率を高める必要がある。

28日には教育部が「24365常時対応オンラインキャンパスリクルート」サービスを打ち出し、1日24時間・1年365日休みなくサービスを提供し、顔を合わせなくても採用され雇用契約ができるようにした。同部はこのほどオンライン就職サービスを強化する措置を取り、各地の大学がオンライン面接やオンライン契約、オンラインでの就職に関する手続きを行えるよう推進している。

北京市、湖南省、河北省なども相次いで通知を通達し、各大学にオンライン就職活動を展開するよう要請した。

■「クラウド就職活動は」は未来の発展方向か?

天坤国際持ち株集団股フン有限公司(フンはにんべんに分)の王雲雷(ワン・ユンレイ)会長は、「実は、インターネットのデータを利用して履歴書の書類選考を行い、動画システムで遠距離のオンライン面接を実施するという一連の採用プロセスは、すでにかなり成熟し整備されている」と指摘した。

たとえばネット企業の字節跳動はこのほど、春の就職シーズンに大学生向けにフルタイムおよびインターンシップの6000あまりのポストを開放すると発表した。求職者はネットでの履歴書送付、ネット説明会、ネットでの筆記試験、オンライン入社などのプロセスをくぐり抜ければ、字節跳動の社員になることができ、仕事に必要な用品は新社員の所在地に送られる。

王氏は、「感染症が起きたかどうかに関わりなく、『クラウド就職活動』は未来の人材採用モデルの発展方向の1つになるだろう。感染症が発展プロセスを加速させており、これからはより多くのキャンパスリクルートやマッチング会がオフラインからオンラインへ移行するだろう」と予測した。

中国教育科学研究院の儲朝暉(チュウ・ジャオフイ)研究員は、「感染状況の中で、『クラウド就職活動』は相対的に便利なルートだと言える。しかし企業・機関ごとに人材に対する要求はさまざまで、一部の就職活動ではやはりオフラインでの面接が必要になる。今はまだ『クラウド就職活動』が未来の発展方向だと言うのは時期尚早だ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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