Record China 2020年3月9日(月) 11時50分
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中国メディアの中国新聞網は8日付で掲載した記事の中で、伊藤が第3ゲームを11-0で奪ったことに注目し、卓球界の「暗黙のマナー」について論じた。
7日に行なわれた卓球のカタールオープン・女子シングルス準決勝で、伊藤美誠が中国の元世界ランク1位の丁寧(ディン・ニン)に4-0で勝利した。中国メディアの中国新聞網は8日付で掲載した記事の中で、伊藤が第3ゲームを11-0で奪ったことに注目。卓球界の「暗黙のマナー」について論じた。
伊藤はこの試合、元女王を圧倒した。第1ゲームはいきなり7点を先取し、11-6でものにすると、第2ゲームはゲームポイントを握られながらも粘りを見せ、14-12と逆転で奪った。第3ゲームは相手に1ポイントも与えずラブゲームで制し、第4ゲームもペースを握り続けて11-5で奪った。
この試合を受け、中国新聞網は「“つるし上げて殴る”のは相手に失礼なのか?」と題する記事を掲載した。記事は、第3ゲームを伊藤が11-0で奪ったことについて「一部のファンはこのスコアに非常に驚いた。いわゆる“卓球場のマナー”に照らせば、伊藤は1ポイントを譲るべきではなかったのだろうか」とした。
11ポイント先取の卓球では、10-0となった時点でリードしている方がわざとミスをするなどしてラブゲームを回避するという「暗黙のマナー」がかつてあった。2014年の仁川アジア大会団体戦で福原愛が“誤って”11-0でゲームを奪った時は平謝りだった。また、伊藤は以前出演したテレビ番組で、「(暗黙のマナーは)中国選手が最初に始めて、それからほかの国の選手もそうするようになった」と説明していた。
潮目を変えたのは、日本の卓球コラムニスト・伊藤条太氏の主張だろう。伊藤氏は昨年、この暗黙のマナーについて「スポーツであるからには、全力を尽くすことこそが相手への尊重であり、マナー」「誰にでも故意と分かるサービスミスをして、相手のメンツが保たれるのか。絶対に逆転されないという慢心の表れなのではないか」などと疑問を提起。この主張は中国でも大きな注目を集め、多くの人が伊藤氏の主張を支持した。以降、劉詩ブン(リウ・シーウェン)や樊振東(ファン・ジェンドン)ら中国のトップ選手が11-0でゲームを奪うケースが相次いだ。
中国新聞網の記事も、「いつからか分からないが、相手を完封しないことが潜在的なマナーになった」とし、「わざとポイントを与えるという行為は、元は相手のスコアをひどいものにしないという尊重から生まれたものだった。しかし、負けた者にとって0-11と1-11にどれほどの違いがあるというのか。いずれにしても“惨敗”なのである」と論じた。
また、「同様のマナーはほかのスポーツにも存在する」とし、バスケットボール(NBA)には大量リードして勝敗が決した状況では全力でプレーしないというマナーがあることに言及。例として、1月30日に行われたNBAのニックス対グリズリーズの試合の終盤、大量リードしていたグリズリーズの選手がスティール(相手からボールを奪うこと)から3ポイントシュートを放とうとしたところ、暗黙のマナーに触れると感じたニックスの選手に突き飛ばされ、乱闘騒ぎに発展するという出来事があったことを紹介した。
しかし、記事は「暗黙のマナーに対する考え方は人それぞれで、必ずしもそうしなければならないというものではない」とし、「相手がそのマナーを守らなかったと怒るのはおかしな話だ。その気まずい状況は、自らが作り出したものなのだから」と指摘。「最後まで全力でプレーすることがルール内での“本分”なのである」と主張し、暗黙のマナーに否定的な見方を示している。(翻訳・編集/北田)
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