Record China 2020年3月11日(水) 14時50分
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中国紙の環球時報は11日、今年で9年目となる東日本大震災について、被災地の現状を伝えた。
記事はまず、新型コロナウイルスの影響を受け、政府が感染拡大防止のために11日に予定されていた追悼式を中止したことに言及。「インタビューを受けた日本の人々は、『震災から9年目』よりも、日常生活に影響のある新型コロナウイルスへの関心の方が高い」と伝えた。
復興庁の最新の統計によると、9年目に入った今でも、被災地ではまだ約4万8000人が避難生活を続けている。記事は、「3年前に記者が福島県を訪れた時、多くの被災者が厳しい仮設住宅での暮らしを送っていた」と説明。現在の状況について、福島華僑華人総会の王伶(ワン・リィン)副会長(兼事務局長)の話として、「政府が提供した仮設住宅には使用年数の上限があり、多くはすでに撤去され、新しい住宅施設が建てられた。被災者はその新しい住宅施設に入ることができる。また、賃貸を借りるか、家を買うこともでき、政府から部分的な資金援助を受けられる」と伝えた。
続いて、「震災から1年後、仙台市では亀裂の入った建物も多かったが、一時的な補修をして使い続けていた。現在の仙台市ではすでにそのような建物は見られなくなった。海沿いの防波堤も建設されている」と紹介。宮城華僑華人連合会の李研(リー・イエン)会長は、「9年目に入り、ハード面の復旧は効果が出ているが、経済面の回復はまだ進んでいない。地震と津波による工場の損壊、電力の供給不足、材料不足などのため、地域の産業チェーンが長い間断たれている。外部が放射性物質の影響を心配していることも、東北3県(岩手、宮城、福島の3県)の製品の販売を滞らせ、窮地に陥れている。地元の人の収入がその影響を受け、消費が減速するという悪循環が生まれている」と話したという。
李会長によると、被災地の経済復興の規模が及ばず、現在も依然として商店街やショッピングセンターなどの商業施設が不足している。また震災後、被災地の中国系の人は年々減っており、帰国して発展の道を探すか、東京や大阪などの大都市に出て仕事をしている。東北3県は深刻な労働力不足で、仕事を非常に見つけやすいにも関わらず、留まる人は少ないという。
福島県民の清野さんは、環球時報の取材に「9年目に入っても、震災で家族や友人を失った人が影から抜け出すのは難しい。テレビではまだ『震災から9年目』に関連した内容が放送されているが、一般の人たちの記憶は年々薄れている。生活は続けなければならないから」と話したという。(翻訳・編集/毛利)
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