新型コロナ禍の中で成長した企業はどんなことをしてきたのか?―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月24日(火) 16時40分

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企業活動や生産活動が再開した後に取材すると、一部の企業が高い「免疫力」を発揮していることがわかった。写真は贛州市南康区越境EC産業パークで販売員が携帯電話によるライブ配信形式で家具のセールをする様子。

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企業活動や生産活動が再開した後、江西省を取材すると、一部の企業が高い「免疫力」を発揮していることがわかり、それぞれの物語に深く考えさせられるところがあった。新華社が伝えた。

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最近、デジタル経済の企業の動きが目を引く。今年1-2月には、インターネット公告配信業務を主に手がける江西巨網科技有限公司の営業収入は11億元(約165億円)に達して、前年同期比50%増加した。南昌市にある中至データ集団股フン有限公司(フンはにんべんに分)は、手がけるゲーム製品の登録ユーザー数が2倍に増え、収入も50%増加した。

こうした「非接触」業務を展開するデジタル企業が特殊な時期の市場ニーズの爆発的増加から利益を得たと言うなら、一部の製造業企業が「囲みを突破」したことは苦しい「修行」のたまものだと言える。

こうした企業の中には、販売ルートのイノベーションを達成したところがある。江西省の南部では南康市の家具産業がよく知られており、大手企業から中小企業までさまざまな規模の企業が6千社以上あり、これまでは店舗での販売が中心だった。新型コロナウイルスによる肺炎の流行期間には、オンラインでの注文がオフラインでの販売を急速に「補完」するようになり、2月以降はECを通じた予約件数が80万件に迫り、オンライン受注件数は前年同期比50%増加し、受注額は20億元(約300億円)を超えた。

南康の家具産業が下落を食い止めて損失を補うことができたのはなぜか。「ライブ配信」がその答えだ。現地のライブ配信チームには絶えず新しいメンバーが加わり、店舗の販売員、デザイナー、伝統を受け継ぐ職人、企業の上層部などがライブ配信を行った。贛州市南康区商務局労働組合の陳暁紅(チェン・シャオホン)代表は、「展示会がライブ配信に変わり、社員が『ネットの人気者』に変わり、マーケティングのイノベーションが産業の発展に思いがけない効果をもたらした」と述べた。

企業の中には、供給側からのイノベーションを達成したところがある。VR(仮想現実)ヘッドセットを装着すれば、遠く離れた場所にいても、「向かい合って」1つの会議室内で交流し話し合いをすることができる。江西中直新経済産業発展有限公司はこうした「隔空重逢」(空間を超えて再び出会う)と名付けられたVR製品の開発を急ピッチで進めている。

同公司の汪翠芳(ワン・スイフォン)会長は、「感染症の対策期間中にはたくさんの人がテレワークやオンライン生活を選択した。当社の製品はみなさんがバーチャルシーンで『対面』し、テレワークやオンライン生活がより現実に近づくことを目指している。さらに、当社はこの製品を土台にしてVRショッピング、VR教育などの製品も打ち出す予定だ」と述べた。

企業の中には、生産モデルのイノベーションを達成したところもある。一部の企業が化粧品店の営業再開を今か今かと待っている時に、江西魅絲蔲化粧用品有限公司は「注文が押し寄せる」状況になり、一時生産ペースが受注ペースに追いつかないこともあったという。同社の責任者は、「優れた業績はモデルのイノベーションによって支えられるものだ」と話した。

同社は「EC+生産製造」という新モデルの中で、研究開発とマーケティングがどちらもネットに軸足を置くようにし、まず製品をデザインし、大手ECプラットフォームを通じて世界65カ国・地域の代理販売業者に配布し、その後、市場からのフィードバックを踏まえて生産現場で何を生産するか決めることにした。同社は、いわばネットに根ざした製造業企業だ。

こうしたモデルは企業のイノベーションの活力を大いにかき立てた。同社では平均2日で新製品が1つ生まれ、一カ月の意匠登録出願件数は5件に上る。新製品は発売に先だって、社内で一度「ふるいにかける」という。感染症が流行る中で受注が減るどころか増えたことは、根本的には、企業がオンラインによってオフラインを駆動し、長期的にイノベーションの方針を堅持した結果だと言える。

また企業の中には、技術の蓄積を急ピッチで進めているところもある。撫州市創世紀科技有限公司は大手民間スーパーコンピュータセンターで、今年の初めからずっと生産状態を維持し、顧客を失わなかったばかりか、試行段階の潜在的顧客が20数社増加し、計算能力の生産能力は15%増加した。同社は到来しつつあるデジタル化応用シーンの「波」によりよく適応するため、研究開発を加速しているところだ。

同社の林慶星(リン・チンシン)会長は、「感染症対策期間に訪れる顧客は多くないが、このことがちょうど研究開発に集中するための環境を創出してくれた。この間に、当社は閉鎖式管理を実施する一方で気持ちと力を結集して研究開発に取り組んだ。現在、次世代サーバーは研究開発の80%が終わり、市場ニーズに合わせて性能の最適化を進め、人工知能(AI)のディープラーニング(深層学習)の能力向上を図っているところだ」と説明した。

感染症の中で江西省の多くの企業が違う道を歩みながら同じ目標に向かっている。数々の物語から十分にうかがえるのは、企業はイノベーションを続けなければ、本当の意味で「今」をつかまえることはできないし、「未来」もつかめないということだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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