〈一帯一路実践談11〉2019年CCTV「五星出東方利中国」大反響

小島康誉    2020年4月4日(土) 16時10分

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新疆で1988年「日中共同ニヤ遺跡学術調査」を開始し、中国の国宝中の国宝と称される「五星出東方利中国」錦発掘など大きな成果をあげた。写真はCCTV「五星出東方利中国」画面、勝利をもたらす「五星」錦。

一帯一路」の要衝である新疆で1988年「日中共同ニヤ遺跡学術調査」を開始し、中国の国宝中の国宝と称される「五星出東方利中国」錦発掘など大きな成果をあげた。2018年はニヤ調査30周年にあたり、日中両国で記念活動を行った。

中国では新疆文物局など主催「ニヤ・考古・物語-中日ニヤ調査30周年成果展」が18年9月から19年1月まで新疆博物館で開催された。開幕式で王衛東局長と筆者が挨拶した。TV局記者「外国との共同調査で記念展が盛大に開かれるのは珍しい」と。新疆日報は「1988年開始の中日共同ニヤ遺跡調査は新疆文化領域で最初の国外との合作。1991年『中国渉外考古工作管理弁法』発布後、中日共同ニヤ調査は国務院の批准により中国最初の国際協力考古項目になった」と報じた。于志勇館長「一日1万人来館」と。

(「ニヤ調査30周年成果展」開幕式)

日本側は10月、『中国新疆36年国際協力実録』を出版。「一帯一路」新疆での国際協力の記録集でもある。キジル千仏洞保存協力・ニヤ遺跡調査・ダンダンウイリク遺跡調査、奨学金など関連活動も含んでいる。写真840点、日・中・英3カ国語併記、A4版270頁。

国家文物局の宋新潮副局長から次のような温かいEMSをいただいた。「この『実録』は貴方の長年の活動と貢献の真実の記録であり、解説である。中日両国文化交流と学術活動を生々しく収めていて、非常に意義がある。国家文物局を代表し、心からの敬意と感謝を表す。今年は中日平和友好条約締結40周年であり、安倍晋三首相の訪中時に双方は多くの共同認識に達し、中日文化交流は新たなチャンスを迎えた。貴方が継続して新疆の発展に関与することを希望する。貴方は『至誠・感謝・縁・義理・人情といった琴線にふれる交流を続けてきた』と書いている。中日の平和友好を共に推進し、繁栄へ合作しよう」と。

(『中国新疆36年国際協力実録』の一部分)

2019年1月、日中隊発掘の「五星出東方利中国」錦がCCTV日曜夜ゴールデンタイム90分の大型番組「国家宝蔵」で大々的に放送された。学芸員が専門知識で説明する文化財紹介番組と異なり、俳優が歴史上人物を演じドラマ化して紹介する人気番組である。これまでにも故宮博物院・上海博物館・南京博物院などの重要文物が放送された。

92歳の俳優が武将に扮し活躍し「五星」が勝利を呼び込む。新疆博物館長の于志勇ニヤ調査中国側第二代学術隊長が「日本と共同調査」などと発見状況を説明、日中隊の写真も映し出され、複製品作製過程も紹介され、観客から拍手や笑いが度々出た。中国で圧倒的影響力をもつCCTVで大々的に放送され、「20世紀中国考古学上最も偉大な発見」などと報じられたことは、「五星」錦だけの栄誉にとどまらず日中共同ニヤ遺跡学術調査への評価であり、嬉しい限りである。

〈編集後記〉人民日報日本支局の劉軍国首席記者の求めに応じた拙稿「新型肺炎でも日中協力」も掲載された、人民日報国際部・日中交流研究所編『手を携えて 新型肺炎と闘う』(日本僑報社)が緊急出版され、贈られてきた。

孔鉉佑中国大使の「互いに見守り助け合う隣人の道」で始まり、中国国内・中国と世界・中国と日本の三部分に、多くの記事などが収録されている。

拙稿は紙幅の関係で圧縮されているが、武漢から日本政府派遣第一便で帰国した191人を16日間受け入れ、消毒を終えた「勝浦ホテル三日月」の営業再開日に「国際協力」精神を応援すべく宿泊し、急ぎまとめたものである。

■筆者プロフィール:小島康誉

1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。66年宝石専門店を起業し上場企業に育て上げ、96年創業30周年を機に退任。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在、佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府文化顧問。編著『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』など。日本「外務大臣表彰」・中国文化部「文化交流貢献賞」・中国人民対外友好協会「人民友好使者」ほか受賞多数。

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