Record China 2020年4月17日(金) 14時50分
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16日、人民画報は、韓国の総選挙で与党が大勝するなか、文在寅大統領は喜んではいられないとする、中国の外交シンクタンク・チャハル学会の張忠義高級研究員による評論記事を掲載した。写真は韓国大統領府。
2020年4月16日、人民画報は、韓国の総選挙で与党が大勝するなか、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は喜んではいられないとする、中国の外交シンクタンク・チャハル学会の張忠義(ジャン・ジョンイー)高級研究員による評論記事を掲載した。以下はその概要。
新型コロナウイルスの感染が続く中、15日に予定通り実施された韓国の総選挙は文政権にとって「中間試験」的なものだったが、単に合格するだけでなく、与党・共に民主党が16年ぶりに議会で過半数を獲得するという予想を上回る結果となり、後半の政権運営に向けた足固めができた。
実際のところ、理想主義に傾倒した経済政策、スキャンダルの渦中にあった曹国(チョ・グク)氏の法務相への「ごり押し」、そしてかじ取り役としての存在感を発揮できない朝鮮半島問題などにより、与党はもともと今回の選挙結果で第一党の地位確保が厳しいという認識を持っていた。
しかし、不利な立場は突如襲来した新型コロナウイルスの感染でたちまち吹き飛んだ。文政権が速やかに防疫体系を整備し、先進的な検査手段を用いて迅速に大規模な検査を進め、財政や金融の手段を大胆に利用して国民生活と経済を安定させるとともに、ウイルス感染拡大を食い止めたことで、「世界の模範」になったからだ。
ただ、与党の大勝利に終わった今回の選挙では、韓国の政治が抱える問題も浮き彫りとなった。まず、選挙結果を見る限り、韓国の政局は従来の二大政党状態に戻り、第三の政党の影が見えなくなってしまった。その背景には、共に民主党、未来統合党がそれぞれ衛星政党を作って大部分の比例代表議席を吸い取ってしまったことがある。また、革新政党が西部地域、保守政党が東部南部地域で強い支持を受けるという地域性が、薄まるどころか強まったことも問題だ。
さらに、与党が単独過半数を獲得したことで、その権力濫用を危惧する声が早くも出ている。今後立法プロセスを強行するようなことがあれば、野党や無党派層からの反感を買うことになり、与党のイメージや政権運営の継続に負の影響を与えるだろう。
今回の選挙で大勝したことで、その負担も後からついてくる。ウイルス収束後の経済、国民生活問題に一層力を入れなければならない。選挙よりも苦難を伴う長い道のりであることは明らかであり、この任務を全うしてこそ初めて、今回の勝利がふさわしいものになる。(翻訳・編集/川尻)
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