〈一帯一路実践談14〉2005年王毅中国大使「感謝します」と手を

小島康誉    2020年4月25日(土) 16時0分

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「一帯一路」の要衝である新疆で実践してきた世界的文化遺産保護研究などを連載中。写真はタクラマカン沙漠で遺跡を探す筆者。

一帯一路」の要衝である新疆で実践してきた世界的文化遺産保護研究などを連載中。真実の記録であり、脚色も誇張もない。2002年「日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査」を開始し、焼損した法隆寺金堂「鉄線描」壁画の源流の実物資料といえる「屈鉄線」壁画「西域のモナリザ」などを大量に発掘。04年調査にはNHKとCCTVが同行取材した。

2004年、各種準備がととのい双方の技術を活かし壁画保護処置を開始した。保護技術面で著名な岡岩太郎氏は「新疆側は充分な技術水準にある。汚れを完全に取り除くことなく、表面の凹凸も残し千数百年前の風格がしのばれるようにしよう」と提案し、中国側の張玉忠副所長や中国国家博物館の鉄付徳教授も同意した。また富澤千砂子女史が模写も行った。


(岡岩太郎・鉄付徳氏ら日中専門家による壁画保護処理)

同年末、「楼蘭展」以来、中国外展示が禁止されていたミイラの「新シルクロード展」への展示基本許可を度々の交渉で取得した。筆者はこの年、調査保護研究に「新シルクロード」・「新シルクロード展」の交渉仲介が重なり14回も中国を訪問した。 

2005年1月には保護処置の確認と研究をおこなった。安藤佳香佛教大学教授は「新出壁画に見られる法隆寺金堂旧壁画の源流を思わせる鉄線描には、ホータンの王族に出自をもつ名画家尉遅乙僧の画風をしのばせるものがある。精彩に富む瞳の動きは、拝者の眼と心に深く訴えかけてくる。世界的名画の出現であるといっても過言ではない」とコメントした。

壁画のうち保護処置をおえた「西域のモナリザ」を含む4点やニヤ遺跡調査隊検出の「花卉文綴織袋」などが05年4月から12月まで、「新シルクロード展」の会場である東京・神戸・岡山で公開され、「楼蘭の美女」以来のミイラも展示された。


(「新シルクロード展」で壁画を参観する人たち)

日中関係の難しさのひとコマを付記する。東京江戸博物館での開会式では王毅中国大使(現国務委員兼外相)も挨拶の予定であった。当時は中国各地で激しい反日デモが繰り広げられ、日本でも一部団体による反中活動。会場周辺は大音量の街宣車が行きかい、厳戒態勢。館内も多数の公安関係。日中双方とも「出席は難しいのでは」と囁きあった。王大使は開会式途中に到着し、スピーチ。

多数のSPにガードされて参観する王大使に盛春寿新疆文物局長が「彼とこの壁画を発掘し、保護処置を行った」と筆者を紹介。大使は日本語で「新疆の文化財保護に尽力いただき感謝します」と手を差し出された。同年1月から12月まで、NHK「新シルクロード」が放送され、壁画や前年調査の一部が紹介された。

■筆者プロフィール:小島康誉 1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。66年宝石専門店を起業し上場企業に育て上げ、96年創業30周年を機に退任。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在、佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府文化顧問。編著『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』など。日本「外務大臣表彰」・中国文化部「文化交流貢献賞」・中国人民対外友好協会「人民友好使者」ほか受賞多数。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 書籍はこちら(amazon)

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