人民網日本語版 2020年5月1日(金) 6時40分
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中国の新型コロナウイルス感染対策の常態化、操業再開の加速に伴い、マスクの需要が再び拡大している。世界で感染拡大が続き、マスクの需給バランスの乱れが依然として深刻であることが注目されている。
中国の新型コロナウイルス感染対策の常態化、操業再開の加速に伴い、マスクの需要が再び拡大している。世界で感染拡大が続き、マスクの需給バランスの乱れが依然として深刻であることが注目されている。科技日報が伝えた。
安全を保証した上で、すべてのマスクに最大限の効果を発揮させるにはどうするべきか。中国工程院院士で、北京化工大学教授の陳建峰氏のチームが開発したマスク帯電再利用技術はその答えを示した。英国王立工学アカデミーの呼びかけで開かれた、各国のアカデミーによる新型コロナウイルス感染対策Web会議において、この大衆密着型の科学研究成果は各国のアカデミーから認められた。
陳氏は取材に対し、「マスクのろ過原理は主に、静電気吸着の利用、及び繊維の配列による極小微粒子と飛沫の遮断だ。マスク中間の帯電層はウイルス・細菌などを伴う微粒子、または飛沫の防護に重要な役割を果たしている。マスクの使用中、細菌・ウイルスの静電層の沈積及び息(水蒸気)などにより、帯電層の静電気が失われる。そのろ過効果が損なわれ、さらには失われる」と述べた。
簡単に言えば、マスクは一定期間の使用後に廃棄する必要がある。これはマスク中層の静電気によるろ過効果が失われたからだ。陳氏は「緊急でマスクを再利用するならば、2つの問題を重点的に考慮しなければならない。一つは、マスクに沈積した新型コロナウイルスなどのウイルス・細菌をいかに死滅させる、または除去するべきかだ。もう一つは、中間の静電層の静電気をいかに補充するかだ」と述べた。
2月以降、科技部緊急研究プロジェクトの支持を受け、陳氏が中心となり、2月より全国の優位に立つ産学研の力を緊急動員し、「再利用防護マスクのキーテクノロジー及び産業化」の重大需要をめぐり緊急の科学研究を展開した。
「マスク再利用のカギとなる技術的問題の一つは、マスクの材料とミクロ構造を壊さずろ過層の帯電を取り戻す、または外界からろ過層に帯電させることだ。これはすなわち帯電の再生だ」。マスク帯電再生・再利用技術の責任者で、北京化工大学教授の王たん氏によると、医療以外の環境における普通マスクの再利用に焦点を絞り、研究チームはマスク帯電再生技術を打ち出した。「熱湯消毒、帯電再生、紙くず検査」の3ステップでマスクの処理を行えば、緊急時のマスク再利用を実現できる。
具体的には、使用済みの使い捨て医療用不織布マスクを56度以上の熱湯に30分浸して消毒処理を行い、その後一般的なドライヤーで約10分間乾かし帯電処理を施し、さらに紙くず吸着検査により帯電が成功すれば再利用できる。
広く使用されている使い捨て医療用マスク、医療用サージカルマスク、韓国KF94マスク、国産KN95級マスクという4種類の普通マスクに対して、研究チームは関連基準に基づきろ過効率を調べた。その結果、再利用マスクは新しいマスクと比べろ過効率が0.6−2.3%低下していた。マスク基準のろ過効率の指標を満たした。
王氏は「材質の優れたKN95級防護マスクを例にすると、マスクの耐高温性試験と高圧蒸気殺菌を行い、その後乾燥させ帯電処理をする再利用法によって、結果的に再利用マスクのろ過効率は新型マスクに相当することが分かった。多くの科学研究と技術成果によると、マスクの再利用は可能だ。注意すべきなのは、再利用マスクは曝露するリスクの低い人に適していることだ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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