Record China 2020年9月5日(土) 14時20分
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中国メディア・上游新聞は3日、「日本人女性と結婚するというのはどのような体験なのか」と題するコラム記事を掲載した。資料写真。
中国メディア・上游新聞は3日、「日本人女性と結婚するというのはどのような体験なのか」と題するコラム記事を掲載した。
記事はまず、台湾の作家の林語堂氏がかつて「英国に住み、米国式の暮らしをし、中国人のコックを雇い、日本人の妻をめとるのが理想」と語っていたことを紹介。「厚生労働省の調査では現在、中国人男性と日本人女性の夫婦は2万3000組ほどがいる」とし、この組み合わせの夫婦の離婚率が日本人女性と韓国、フィリピン、タイなどの国の男性のそれよりも低く、関係は比較的良好だとした。
一方で、日本のグーグルで検索窓に「中国人男性と結婚」と入力すると最初に出てくる候補は「後悔」であるとし、ネット上には「家に客人を招くと中国人の夫が料理をするため自分の立場がない」「日本で生活しているが祝日のたびに帰国するため、給料はほぼすべて旅費に消える」「家族が中国人の夫を見下す」などさまざまな理由が見られ、ある人は「中国人男性との結婚は地獄への片道切符」とまで嘆いていると説明。その上で、中国人男性と日本人女性の夫婦数組に話を聞き、実際にどのような生活をしているかを紹介した。
1組目の夫婦は結婚歴2年で南京在住。女性は第1子を妊娠した際、南京の病院で検診を受けたが、なまりがひどい医師の言葉がまったく聞き取れず、日本に帰国して出産することを決意した。今年2月に女性は帰国、夫も後に日本に渡り付き添う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で足止めされた。出産間近になってようやくビザを取得した夫が来日するも、隔離期間があったため結局付き添えなかったという。
コロナ流行期間ということもありビザ取得は難航した。領事館からは「2人目のお子さんでしたら1人目のお子さんの面倒を旦那さんが見る必要があるので手続きは早くなりますが、1人目でしたら妊婦さんは病院や(妊婦の)ご家族がみられるので旦那さんの立ち合いは十分な申請理由になりません」と告げられたという。結局、山のような資料を準備して7月末にようやくビザが降りたが、女性はこの時に初めて国際結婚の壁を感じたそうだ。
文化の違いはあるものの、夫婦の間にほとんどけんかはない。相手とも相手の家族とも、「外国人だから」ということが理解したり譲り合ったりする理由になっているようだ。時に「マザコン」な一面もありつつ、家事に積極的で優しい夫がいることに女性は幸せを感じているという。
2組目の夫婦は結婚1年目。日本の大学に通い、卒業後に帰国する予定だった男性は気になっていた女性と両思いだったことが分かり翻意。一度帰国してからすぐに再び来日し、日本で就職活動、3社から内定を得た。女性は「中国人と付き合っているというよりも、先輩と付き合っているという意識だった」という。
中国人男性はあまり良い印象を持たれないこともあるが、女性は相手に日本の男性以上の優しさとがまん強さを感じていた。考え方を理解し応援してくれただけでなく、日常の家事も半分ずつ負担した。男性も女性に対し、「中国人女性よりも賢く成熟している」と感じていたそう。ブランドなど物にこだわらず、好意にはそれ以上の好意で応じる様子が印象的だったようだ。
男性は、女性が毎日「おかえりなさい」と玄関で出迎えてかばんを受け取ってくれることに幸せを感じている。「まるでドラマみたい」と言う男性に、女性は「普通のことよ」と応じたという。
3組目の夫婦は周囲の目に悩んだ。中国人男性と結婚すると聞いた女性の実家の隣人が、女性の両親に「慰めの言葉」をかけてきた。北京での両家の顔合わせでも「友好的でない雰囲気」が流れていたという。男性の両親は女性を非常にかわいがってくれたが、あれこれと世話を焼いてくれることに息苦しさを感じていた。
子育ての習慣の違いもあった。男性の両親が申し出た世話を“お断り”した女性だが、子どもに冷たいものを飲ませたり、冬でも薄着でいさせたりするなどは中国では避けられることから、女性は周囲から疑いの目で見られた。子どもの注射で病院に行った時、待合室はほとんどが「一家総出」で来ている患者だった。女性の夫が仕事で来ていないことを知ると「無責任な」と叱責する人も。冬に子どもに半ズボンをはかせていたところ、見知らぬ人に怒鳴られたことは一度や二度ではないという。
夫は日本人よりも考え方が自由で、女性がすることに一切口を挟まなかった。ただ自由過ぎるために苦労も。子どもと2人で出かけてしばらくすると、子どもから「パパがいなくなっちゃった」と電話がかかってきたこともあるそうだ。
日本とは違う環境で孤独を感じ、うつにもなりかけたというが、子どもが成長するとともに状況は好転していった。「時には誰かに頼るのもいいかもしれない」と考えるようになったという女性は、夫の親の手伝いを受け入れるようになった。結婚5年目で今が一番良い時期だという女性の唯一の心配事は、日本の実家の両親の老後の面倒だという。
4組目の夫婦は北京で知り合い、その後日本で生活する2人。女性は北京留学中に夫と知り合った。実家暮らしだった男性の家に居候し、夕食後には男性の母親とテレビドラマを見るのが日課だった。夫の母親はまだ中国語が流ちょうではなかった女性にドラマのストーリーを根気よく説明してくれた。「訓練」の甲斐あって、女性の中国語は急速にレベルアップ。男性は「最初は美人で口数が少ないのが好きだったのですが、母のおかげで寝る前に一日の出来事を事細かに報告できるようになりました」と話した。
卒業のため女性の留学ビザが切れ、日本に帰国することになると、日本語がまったくできなかった男性は中国での仕事を捨て日本に渡った。今では日本語も上達した。中国語と日本語を半分ずつ使って会話をしているため、周囲の人は会話の内容がわからないそうだ。
記事は、「日中の夫婦が付き合う時、少なくとも一方は相手方の言語が流ちょうだと思っていたが、面白いことにほとんどが語学レベルが高くない状況で、身振り手振りを交えながら交流していた。言葉による意思表示は感情の妨げにはならなかったばかりか、言葉がその役割を十分に発揮しない分、彼らは行動によって気持ちを表現する」と評した。
そして、「家事に首を突っ込んで怒る人もいれば、分担できて幸せと感じる人もいる。周囲の目に恥ずかしさを覚える人もいれば、それによってより強くなれる人もいる」「国籍の欄には中国人、日本人と判を押されるが、それ以前に1人の人間だ。その人を完全に表すことができるレッテルなど存在しない」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
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