〈一帯一路実践談16〉2019年中国「環球時報」活動を大きく報道

小島康誉    2020年5月9日(土) 16時10分

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2017年、ダンダンウイリク・法隆寺・敦煌莫高窟・キジル千仏洞の壁画の類似性にスポットをあてたNHK「シルクロード・壁画の道をゆく」が放送された。写真は夕食後のベースキャンプで遺物実測や資料整理。

一帯一路」の要衝新疆で実践してきた世界的文化遺産保護研究などを連載中。2002年に開始した「日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査」では法隆寺壁画の源流といえる「西域のモナリザ」などを発掘。05年にはNHK「新シルクロード」が放送され好評を博した。

2017年、ダンダンウイリク・法隆寺・敦煌莫高窟・キジル千仏洞の壁画の類似性にスポットをあてたNHK「シルクロード・壁画の道をゆく」が放送された。30分版も度々放送されるなど好評であった。18年には天津TVの中国で活躍する外国人にスポットを当てた長寿番組「泊客中国」が筆者活動を3集制作。キジル千仏洞保存協力は「大愛無疆」、ニヤ遺跡調査は「五星出東方利中国」、ダンダンウイリク遺跡調査は「西域のモナリザ」と題して放送された。同年出版した『中国新疆36年国際協力実録』ではキジル千仏洞保存協力やニヤ遺跡調査とともに、ダンダンウイリク遺跡調査を230点余の写真で紹介した。

(過酷な沙漠、地下水で生き延びている胡楊)

沙漠には水がないと思われているであろう。しかし、沙漠にも水はある。ラクダ使いが「この辺りには有りそう」という場所を掘ると、有ることもある。但し塩分が多く飲料水には適さない。ラクダの背中の「こぶ」には水が蓄えられているというのは俗説で、脂肪である。「ラクダは水の臭いが数キロ先から分かる」とラクダ使いは言う。調査を終えて帰る時、ラクダは来た時より速い。ケリヤ河へ戻り、数10頭が水をガブ飲みする様は見ものである。 

2019年5月、中国共産党機関紙「人民日報」系で海外関係を報道している「環球時報」が一頁特集「キジル石窟で歴史の明暗を見る」(意訳)を組み、「壁画は20世紀初頭にロシア・日本・英国・米国・フランスなどへ持ち去られた。その後に保護が行われ、世界遺産となり、しっかりと管理されている。この3年間で20余万人が参観し、内1万人が海外からである」(拙訳)などと報じ、約三分の一で筆者活動を紹介。

(灼熱をさえぎり発掘疲れをいやす筆者)

そこには「新疆を1982年から150回以上訪問し、キジル石窟修復保存・ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡調査を行い、日本で『新疆世界文化遺産図鑑』等の出版や講演・テレビ番組などを通じて美しい新疆を紹介している。新疆の文化・文物・教育事業の発展や両国の文化交流に重要な貢献を行った。36年間提供したのは『至誠』であり、骨はタクラマカン沙漠に埋めると言っている」(拙訳)などと報じられている。日本人の中国での活動が紹介されることは日中相互理解のために嬉しいことである。

2020年1月、安藤佳香隊員がインド・ダンダンウイリク・キジル・敦煌・法隆寺などの壁画の関連を記した労作『いのちのかたち-時空を超える唐草』を出版し好評を博した。

■筆者プロフィール:小島康誉

1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。66年宝石専門店を起業し上場企業に育て上げ、96年創業30周年を機に退任。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在、佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府文化顧問。編著『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』など。日本「外務大臣表彰」・中国文化部「文化交流貢献賞」・中国人民対外友好協会「人民友好使者」ほか受賞多数。

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