人民網日本語版 2020年5月19日(火) 7時10分
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「ポストコロナ時代」の日本経済はどこへ向かうのだろうか?写真は東京。
安倍晋三首相は14日に39県の緊急事態宣言を解除することを発表し、「コロナの時代の新たな日常を取り戻していく。今日はその本格的なスタートの日」と述べた。一般財団法人国際貿易投資研究所(ITI)の江原規由研究主幹は同日、「日本政府は経済面の圧力を受けてこの決定を行わざるを得なかった。『ポストコロナ時代』の日本は『新インフラ整備』と『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブなどのプロジェクトを通じて、中国と共同で経済発展を促進していくことができる」と述べた。
日本経済は新型コロナウイルスにより極めて大きな打撃を受けた。東洋経済オンラインの同日の報道では、感染症が流行後の日本の失業率は10%を超える可能性があり、中小企業の約40%が資金繰りに苦しんで、経営が困難になる可能性があるという。
江原氏は、「これは『最悪の時代』であり、日本経済が受けるさまざまな影響の中で、中小企業が受ける大きな傷が最も致命的だ。大企業は大きな打撃を受けても、回復できる力がある。中小企業は日本経済に不可欠の柱だが、一度倒産に追い込まれると再起するチャンスはほぼゼロだ。日本は中小企業の数が多く、関連分野が深く幅が広い。中小企業が倒産すれば非常に深刻な結果になる。言い換えれば、『ポストコロナ時代』の中小企業が難関を乗り越えられるかどうかが、日本経済が回復できるかどうかのカギになるということだ」と述べた。
日本の地方自治体が打ち出した中小企業向けの補助金政策について、江原氏は、「力不足」、「資金をいつもらえるかはっきりしない」との見方を示した上で、「今は時間との戦いだ。この点で中国はうまくやっており、企業活動の再開が早く、経済が急速に元の軌道に戻ってきた。日中経済の特徴はそれぞれ異なることが否定できないが、中国の経済体制の優位性がこのたびの感染症で十分に現れている」と述べた。
では日本の中小企業を救うのは誰か。江原氏は、「中国にとても期待している」と率直に述べた。江原氏は続けて、「特に中国企業の力を借りて日本の中小企業の国際化を支援することを願う。国際化と言うと大企業を想起しがちだが、実際には日本は中小企業が技術を備え、匠の精神を備えているのであり、これからは中小企業が世界とマッチングするチャンスを迎えることになるだろう。主体的に海外へ出るよりも、外資を日本に持ち帰る方がより現実的であり、そこでは中国企業の投資が日本の中小企業の国際化実現で非常に重要な役割を果たすことになる」と述べた。
厳しい感染状況に直面して、東京や大阪などの大都市には引き続き緊急事態宣言が維持され、経済活動が深刻な打撃を受けている。そんな中で日本はある問題をより意識するようになった。大都市に過度に依存した経済の活性化は決してよいことではなく、地方企業の活力を強化する必要があるという問題だ。日本の地方は中小企業が中心で、たとえば関西地域には医療分野の中小企業がたくさんあり、現地にはこれに対応するように教育機関や研究機関もあり、人材のストックは豊富だ。
感染症が流行している中、中国が日本に与えた啓発は別の面にも現れている。江原氏によると、「『クラウド墓参り』、『クラウド診療』、『クラウドオフィス』、『クラウド教育』といった中国人の日常生活に深く浸透したオンラインの活動は、多くの日本人にとっては目新しいものだった。日本は技術的にできないことはないが、意識的にはなかなか変わらず、これまでの生活様式を変えようとはしなかった。中国が『クラウド端末』を利用して非常に便利な生活を送っているのを見て、日本人の意識が徐々に変化しており、このことが日中間の今後の経済活動にも影響を与えるとみられる」という。
中国国家発展改革委員会は4月20日、「新インフラ整備」には情報のインフラ、融合のインフラ、イノベーションのインフラの3分野があるとした。江原氏は、「デジタル経済は『新インフラ』整備の重要な一部分であり、これから非常に大きな役割を発揮するだろう。特に今回の感染症を経験して、世界中がデジタル経済発展の重要性を認識するようになり、日本もヒントを得た。デジタル経済は国家間の境界を打ち破り、日本は今後は『新インフラ』整備で積極的な役割を果たしたいと渇望する。また、中国が主導する『一帯一路』イニシアティブも日本企業に力を発揮する舞台を提供し、日中は第三国で協力を展開することが可能で、こうした優位性もみな中国独自の魅力だといえる」と述べた。
江原氏は、「インダストリー4.0がまもなくやって来る。これまでと違うのは、どこかの国が自分たちの力だけで成功するのは難しくなったこと、必ず国際協力が必要になることだ。日本は中国とともに、より多くの協力の可能性を探り、経済発展を共同で促進していくことだろう」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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