2021年12月24日、韓国・ニューシスによると、韓国の朴範界（パク・ポムゲ）法相が朴槿恵（パク・クネ）前大統領の特別赦免を電撃発表し、「健康状態が（赦免の決定において）非常に重要な基準だった」と説明した。

記事によると、朴法相は今回の特赦の背景について「過去の不幸な歴史を乗り越えて全国民が一つになり、コロナ感染拡大による国の危機を克服し、未来に向けて新たな一歩を踏み出すきっかけを作るためのもの」と述べた。朴前大統領は知人の国政介入事件に絡み逮捕され、懲役22年の実刑判決を受けていた。

また「赦免は大統領固有の権限」だとし、「国民の共感や司法正義、法治主義、国民和合、対立の解消などの観点から大統領が考慮した」と説明。

李明博（イ・ミョンバク）元大統領が赦免対象に含まれなかったことについては「朴前大統領と李元大統領とでは事案の内容が異なる」「国民感情も考慮せざるを得ない」などと述べたという。

朴前大統領は最近、持病が悪化し入院中だと報じられていた。また長期間に及ぶ収監生活により精神的にも不安定な状態だとされている。

このニュースに韓国のネットユーザーからは「一体なぜ？具合悪いふりをすれば赦免してもらえるのか」「赦免反対。朴前大統領は国をめちゃくちゃな状態にしたのに謝罪の一言もない。罪を認めず、反省もしていない人を出すの？」「国民がろうそくデモをして大統領の座から引きずり下ろしたのだから、赦免も国民投票で決めるべきだ」「なぜ大統領が法の上に立っているの？法の判断により刑務所に入ったんでしょ？」「大統領の赦免制度をなくすべき」など反発の声が数多く上がっている。

一方で「もっと早く赦免するべきだった。罪のない朴前大統領、お疲れさま」「道徳的に考えたら赦免するべきでないけど、政治的に考えたら理解できる。文大統領が退任前に赦免することで次の政権への負担を減らせる。文大統領は（大統領選与党候補の）李在明（イ・ジェミョン）氏のために悪役を引き受けたんだ」「たくさん悩んだ末の決定だろう。賢明だと思う」など理解を示す声も見られた。（翻訳・編集/堂本）