「ケチ」が習慣になった日本の若者

人民網日本語版    2020年6月2日(火) 11時40分

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「低欲望」、「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」、「嫌消費」が、日本の今の若者に対する一般的な評価だ。

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「低欲望」、「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」、「嫌消費」が、日本の今の若者に対する一般的な評価だ。1990年代に「消費は美徳」とばかり爆買いしていた世代と比較して、最近の若者は「ケチ」だとあげつらわれるほどだ。こうした状況に対し、日本政府は頭を悩まし、企業やメディアも盛んに消費をあおるが、若者は動じない。これに新型コロナウイルス感染症が拡大して、収入が激減したことも加わり、若者の「ケチ」ぶりに拍車がかかった。「環球時報」が伝えた。

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「車離れ」が話題に

ここ数年、日本のメディアは若者をいろいろな言葉で形容してきた。家にこもって漫画アニメを見たり、ゲームばかりしている「オタク」、低欲望で毎日を無事に過ごせればいいと考える「草食系」の若者は、熱い血をたぎらせた「昭和の男」に比べられ、日本の90後(1990年代生まれ)は「平成の役立たず」などとさげすまれ、各界の批判の的にさえなる。ネットの検索ページで「日本の若者」と検索すると、「消費をしたがらない」、「超シンプルライフを追求」、「消費離れの世代」などといった結果が出てくる。かつての日本の若者の三種の神器は「自動車、酒、海外旅行」で、よりよい暮らしを追い求め、暮らしを愛する姿勢が現れていたが、こうした親世代と明らかに異なり、今の多くの若者は車にも酒にも興味がない。

ここ数年、日本の若者の「自動車離れ」がたびたび話題になり、とりわけ2019年の注目される話題になった。渋谷や新宿などの繁華街でたまに成金趣味の高級車を見かけるが、普通の人が乗っているのは基本的に低価格の国産車で、ハンドルを握るのは中高年が多い。自家用車を買いたいと思わない若者が徐々に増えており、高級車に対する憧れの気持ちも年々低下し、若者は車よりも便利で時間のかからない地下鉄に乗ることを好む。大企業で働き、月収が人民元にして2万元(1元は15.1円)を超える日本の友人も、車を買うことはまったく考えておらず、「車は面倒くさい、価格はそれほど高くないが、駐車場が大きな問題だ。毎月ガソリン代がかかる上、高い駐車場代も払わなければならないし、しかも会社が通勤手当を出してくれるので、なんでわざわざ高いお金を払って必要のないものを買わなければいけないんだ」と話す。企業は知恵を絞り、大量の広告を流すが、若者の心には響かない。

日本の若者の多くは海外旅行が面倒くさいという。家の近所を散歩したり家でゴロゴロしてゲームをしたりする方がいい。出かけていって消費して爆買いしようとは思わないという。日本のメディアが街で若者に、「これから海外旅行に行きたいと思うか」とたずねたところ、「そんなに行きたいと思わない、パスポートも持っていない」、「生まれてから、日本を出たことがない」という若者が半分を占めるという驚くべき答えが返ってきた。

中古品がトレンドに

日本を旅行した人なら、賑やかな商業エリアのあちこちに「中古」と表示した中古品の店があるのを見かけたはずだ。筆者は東京に来たばかりの頃、どうして中古品を買うのか理解できなかった。他人が使用したものを使うのは嫌ではないかと思った。しかし日本は中古品店がどこにでもあり、地価の高い高級イメージの銀座にすらある。中古品店の中には店舗面積が大手商業施設くらい広いところもあり、衣類、本、音響映像製品、漫画・アニメグッズから車まで、日本では何でも中古で買える。古着屋でびっくりするくらい商売繁盛しているところもあり、その顧客はほとんどが若者だ。調査によれば、中古品店の利用者はごく自然に、「値段が安いし、中古品を買うのは一種のトレンドで、人と違うものが買える」と話すという。

実店舗の中古品店が繁盛しているだけでなく、ここ数年の日本では中古品を扱うサイトやアプリケーションも流行しており、特に若者はオンラインで中古品を物色するのを好む。筆者の周りにいる日本の同級生は「中古品の熱狂的な愛好者」で、洋服、カバン、化粧品、カメラなど、何でも中古品サイトで手に入れて「戦利品」としている。一度、「人が使ったものが気にならないのか」とたずねてみたところ、彼女は気になるともならないとも言わず、ただ、「中古ならかなり安いから」とだけ答えた。

日本の慶応大学が日本の若者に対して「中古品に抵抗があるかどうか」という調査をした結果、半数以上が、「特に気にならない」と答えた。「買い物をするときに最も気にするのは何か」についてもたずねたところ、80%以上が「価格を最も気にする」と答え、次が「品質と性能」で、「新しいものがよい」とした人は30%に満たなかった。

「ケチ」はもはやマイナスの意味はない

日本のSNSに「富女子」という言い方が出てくる。20代の女性で「30歳までに1千万円の貯金をする」ことを目標にする人たちのことで、ぜいたく品、海外旅行、娯楽を断ち、食費や支出を切り詰めて暮らし、必死に貯金する。日本のメディアの調査では、日本の若者の80%が毎月貯金をし、買い物ではいくつかの店をじっくり比較し、店側がかわいそうになるくらい値切り、人よりよいぜいたく品を持ちたいとか物質的に豊かな暮らしをしたいなどとは考えないという。筆者も日本の同級生の「指導」の下、少しずつ価格交渉の技術を身につけてきた。先日、コンピューターを買いに行った時には、同級生に、「店の人と必ず価格交渉すること。店によって価格が違うので、何店か回って値段を比べた方がいい」と何度も言い聞かされた。普段は礼儀正しい日本の若者が、ネットで価格を交渉するときには非常に大胆になり、わずか数十円でも延々交渉を続ける。「なんてケチくさいんだ」と驚かずにはいられない。

日本の若者は「ケチ」が悪いことだとは思っていないし、質素倹約を示し、貴重な性質であり美徳であると考える人もたくさんいる。日本のメディアが「どの地方の人がケチだと思うか」を投票形式でたずねたところ、大阪がトップ、2位は愛知、3位は京都だった。しかし予想外だったのは、この3地方の人々がケチと言われても批判されているとか笑われているとは考えず、むしろ誇らしいと考えていることだ。

今の日本の若者は精神的な生活をより追求し、自分らしい暮らしを渇望して、「不要なもの」を拒否し、断捨離やミニマルライフ(持たない暮らし)を尊ぶ。外国人の目からみると、こうした姿はかなり「ケチ」に映る。中国からきた同級生の女子がこんな不満を言っていた。「日本の友だちとご飯を食べるといつも割り勘。これは日本人の習慣と文化なのでまだ理解できる。でも私のことを好きと言っている日本の男の子まで食事の時はいつも割り勘だし、街をブラついても値段の安いちょっとしたものでも買ってくれたことがない」。「そういう『ケチ』さは日本の若者にとって今では当たり前のことかもしれないよ」と彼女に忠告するに忍びなかった。(編集KS)

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