人民網日本語版 2020年6月28日(日) 21時40分
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日本発のビジネスモデルのペットカフェが中国で流行している。中国では既存のペットカフェは猫と犬が目玉というところが多いが、オーナーの中には「一風変わったペット」を導入する人が少なくない。
ここ2年ほどの間に、日本発のビジネスモデルのペットカフェが中国で流行している。中国では既存のペットカフェは猫と犬が目玉というところが多いが、オーナーの中には「一風変わったペット」を導入する人が少なくない。たとえばアルパカ、フクロウ、コールダック、アライグマ、ハリネズミ、マーモットなどがいる。こうした新顔のペットたちはショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」などのSNSで非常に多くのペット好きを引きつけ、クラウドでファンを増やし、クラウドの外で実際に会えるようになり、新たな「ペット経済」の波を起こしている。
■台頭する「一風変わったペットたち」
生クリームのような真っ白いコールダックの群れが自分の方によちよちと歩いてくるので、ふわふわした滑らかな羽をなでてみると、悩みは吹き飛んでしまった。
この全身真っ白なアヒルはコールダックという。ネットで人気の新顔ペットで、インターネットで人気に火が付き、今では「クラウドでアヒルを飼う」のがトレンドとなっている。抖音では「♯コールダック♯」がテーマの動画が8億回以上再生された。ネットユーザーの中にはドラマのストーリーを追いかけるように、コールダックの卵が孵化してから生まれるまでのプロセス全体を眺め、積極的に名前をつけ、まるで自分のアヒルのように成長を見守る人もいる。
好きな人が増えれば、自分の手でなでてみたいというニーズが生まれるのはごく自然なことだ。しかしペットとしてのコールダックは非常に珍しく、自宅で飼っている人は少ない。ネットのペットアヒルコミュニティーで明らかになったところでは、1羽の値段は5000~1万元(約7万5000~15万円)前後と高額だ。目端の利いた起業家はここに商機を見いだし、コールダックを成熟したペットカフェモデルに組み込もうとしている。
アヒルとのふれあいや記念撮影を中心とした「アヒルの館」、「アヒルカフェ」が瞬く間に全国に広がり、ほぼすべての店が開店すると現地のネット人気店になった。
新型コロナウイルス感染症の影響が続くが、「アヒルの館」は流れに逆らって大人気となり、一部の店舗は事前予約制が必要で、2時間以上並ばなくてはならない店もあり、しかも店内での滞在時間は限られている。若いオーナーが商機を見いだして経営に乗り出し、コールダックをテーマにしたカフェ、グッズ販売、個人メディア、スタンプなど産業チェーンにまたがる新業態を生み出した。
アヒルカフェだけでなく、ハリネズミとふれあえる店もある。四川省成都市のハリネズミカフェでは、客は消毒液で手を洗ってからでなければハリネズミには触れない。店内にはアフリカミニハリネズミが8匹いる。ハリネズミはそれぞれミニチュアの教室、お風呂、書斎、麻雀店などのミニチュアドールハウスにいて、とてもかわいらしい。店に入ってお金を払えば、誰でも1回ハリネズミに触ることができる。店は特別な手袋を用意しており、これをはめれば近い距離でハリネズミとふれあえる。
成都市の青蓮上街にはアライグマとふれあえるサービスを提供する店があり、店内には2匹のアライグマがいる。アライグマはもともと目がよく見えない上、恐がりなので、オーナーは専用のガラス張りの部屋に入れている。店員のサポートを受けながら、部屋に入ってエサをやったり、そっと触ったりできる。
■経営のコツは細やかな運営にある
ペットとふれあえる店の経営は、単にペットを準備すればよいといった単純なものではない。動物とのふれあいの感覚、店内のインテリア、撮影する写真の質、店内で出す飲み物の味、サービスなどいろいろ細かい部分が重要だ。
最も重要なことは店内の衛生状態だ。店に入った時に変なにおいがすれば体験に大きく影響するので、店側は多くの動物に紙おむつをはかせている。このほか、スタッフが定期的に衛生状態をチェックし、クッションなどが動物の排泄物で汚れていればすぐに廃棄して新しいものと取り替え、洗って再利用はしない。
別の細部も重要だ。たとえば店員は客と動物が仲良くふれあえるよう誘導するだけでなく、客が動物に無視されていないかどうか気をつける。動物が1カ所に集まって入れば、すぐに散らばるように介入する。客が気に入った写真を撮れるようサポートするという。
■「ペット経済」は中国でどれくらい人気か?
調査会社の企査査が「ペットカフェ」をキーワードに検索をかけたところ、全国に条件に合致した企業が853社あることがわかった。これにはペットカフェ以外の形で登録経営する店は含まれない。
こうしたペットを中心にしたカフェは、一般的なカフェより値段が高い。一般的にセット料金は数十元(数百円)から100-200元(約1500~3000円)で、入店料や最低金額を設定するところもある。上海にある「かわいいダッククラブ」は入店料が38元(約570円)で、80分の時間制限がある。
「2019年中国ペット消費トレンド報告」によると、一風変わったペットの消費はここ数年の間に起きたことで、ユーザーのニーズは実に様々で、猫と犬が中心のペット市場という従来の局面をひっくり返す可能性がある。現在、中国国内のオンラインペット消費の主なユーザーの属性は、女性、85後(1985年から1989年生まれ)、未婚、大卒などだ。ペットの飼い主に共通する特徴は、ペットを飼うことが飼い主にとっては感情面のニーズという意味合いがより強いことだという。
また同報告によると、ペット経済の中身は実は孤独を扱うビジネスであり、若い消費者とより高学歴の消費者が増加するにつれ、個性化・多様化・趣味化した消費ニーズが消費高度化の発展をさらに後押しすることが予想されるという。
■一風変わったペットの台頭は個性化のバンドワゴン効果か
ここ数年、一風変わったペットたちの市場が突然発展したのはなぜか。心理カウンセラーの徐氷(シュー・ビン)さんは、「これは一種の個性化した心理的ニーズの現れだ。物質的条件がどんどん豊かになる今、人間の精神的ニーズが絶えず高まるようになる。ペットを飼うことから一種の心理的ニーズが映し出される」と説明する。
徐さんからみると、ペットには種類ごとに特徴があり、「人間がペットを選ぶ時には、心の中の潜在意識が自分自身と同じ特徴をもつペットか、似た特徴をもつペットを選ぶ」のであり、さらに分析を進めると、「一方ではペットを飼うのはパートナーを手に入れる一種の有効な方法だ。また、感情のコミュニケーションをしたいというニーズが満たされる。どんなペットを飼うにしても、実はその役割の多くはパートナーだ。自分が普段の暮らしの中では外に出すことのできない気持ちを解放し、孤独感をまぎらわし、コミュニケーションの目的を達成する」のだという。
徐さんは続けて、「今はいろいろな動物を飼うことが流行っている。これは一方ではペットに自分と似た特徴を見いだそうとするからであり、また一方では個性化のバンドワゴン効果で、スターや有名人の真似をしたり、一定の影響力をもった人のやり方を真似るというものだ。実際のところ、これは一種の心理的な暗示を表す方法であり、多くの商品がスターをイメージキャラクターにするのと原理は同じだ」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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