フライメディア 2020年7月6日(月) 19時50分
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香港では魚の皮食べる食文化が定着している。勿論生で食べるのではなく、薄く衣をつけてパリパリに揚げた「炸魚皮」(魚の皮のから揚げ)と呼ばれるものを食す。
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一昔前まで、この「炸魚皮」を食べようとする場合、お粥や麺屋 或いは火鍋屋へ行くのが常であった。また筆者が初めてのお粥屋や麺屋に入る際、その店が美味しいかどうか見極める一つの目安が、「炸魚皮」があるかどうかにもなっている。
魚皮が置いてあるという事は 店で新鮮な魚を裁き、そこで裁いたフレッシュな魚皮を利用して「炸魚皮」を調理する。その為、他のメニューについても自ずと「新鮮なものを揃えているに違いない」と判断をするのだ。
炸魚皮の食べ方は人それぞれ。お粥、麺、火鍋などに浸して食べるのも良し。そのまま、スナック代わりとして食べるのもまた美味である。コンビニエンスストアやスーパーでは、炸魚皮をスナックにみたてた所謂「魚の皮チップ」も売られている。
そして数年前、シンガポール発祥で人気が出たものが「鹹蛋魚皮」だ。鹹蛋、つまり鹹蛋は中秋節の月餅の中に入っている、アヒルの卵を塩漬けにしたものである。その鹹蛋を魚のから揚げの衣部分にまぶしているのが「鹹蛋魚皮」だ。
甘塩っぱさと魚の皮のポリポリ食感が絶妙で、一度食べだしたら止められないスナックとして一世を風靡した。シンガポール発祥のこのスナックは香港のみならず、日本でも話題になったはずである。
一時期は人気ブランドの「鹹蛋魚皮」を買うために、行列を作って購入する時期もあったほどである。ただ、美味しいものには裏のマイナス面もある。
魚の皮は栄養がありコラーゲンも多いとは言っても、から揚げにする事でカロリーが増える。その為、「炸魚皮」をあえて食べない健康志向の香港女性もいる。
そんな「炸魚皮」にさらに栄養がある鹹蛋をまぶすとくれば、食べすぎてはいけないものだと誰もが想像ができる。それでも食べずにはいられない程の美味しさが「鹹蛋魚皮」なのだ。
食後に少しずつこの「鹹蛋魚皮」チップを食べるのが、筆者にとっても日々の至福のひと時という時期が暫くあった。
そうこうして、今ではこの少々お高いスナック「鹹蛋魚皮」がどこでも買えるまでになったのだが、最近のトレンドが出はじめている。
この1~2年、現地特有のメニューがあるようなちょっとしたバー等へ行くと、手作りの「鹹蛋魚皮」が「酒のつまみ」としてメニューにある店が増えてきた。メニューにある「鹹蛋魚皮」をオーダーすると、まさに揚げたてでパリパリの「鹹蛋魚皮」が出てくるのである。ただでさえ美味しい「鹹蛋魚皮」が、真空パックのスナックではなくその場で調理されたとあれば、それ程美味しいものはない。そしてそれこそ、ビールに合う超絶にうまいツマミとして喜ばれているのだ。
こうして、人びとの庶民の生活に根付いた昔ながらの魚の皮が、スナックとして世界中に発信され、やがてお洒落な飲み屋のツマミとして登場するようになった。後少ししたら、また違った形で炸魚皮を楽しめる日が来るかもしれない。香港、アジア圏ならではのこんなメニューを見つけた際は、ぜひ一度試して頂きたいと思う。(提供/フライメディア)
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