人民網日本語版 2020年7月11日(土) 20時40分
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7日、1カ月延期となった高考の初日を迎えた。楽至県呉仲良中学に設置された「第38試験会場」で試験を受けたのは劉さん一人だけだった。
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「今回の試験はそれほど難しくなかった。たぶん145点くらいは取れていると思う(150点満点)」と話す劉岩(リウ・イエン)さんは8日午後5時、四川省楽至県呉仲良中学(中高一貫校)に設けられた中国大学統一入学試験(通称「高考」)の試験会場から、自信満々な様子で出てきた。そして、「試験期間中、試験会場にいるのは、僕以外に、試験官の先生と、整然と並べられた机と椅子だけ」と笑顔で話した。華西都市報が伝えた。
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■「全県でたった一人というのは初のケース」
7月7日、1カ月延期となった高考の初日を迎えた。楽至県呉仲良中学に設置された「第38試験会場」で試験を受けたのは劉さん一人だけだった。
同県アドミッションオフィスの関係責任者によると、劉さんは、外国語の試験科目に日本語を選択。日本語を選択する受験生は少なく、今年は県全域で劉さん一人だけだったため、劉さん「専用」の試験会場が設けられた。同責任者は、「一人というケースは私たちも初めて。試験当局の上の部門に何度も確認したうえで、関連の指示に基づいて『専用』の試験会場を設置した」と説明した。
同責任者によると、試験会場で試験を受ける受験生は一人であるものの、受験の流れ、試験会場の監督、試験官の人数を含めた試験会場の環境などは、他の試験会場と全く同じ。つまり「試験官は教室内に2人、外に1人いる」手配がされた。
また、日本語の試験は英語の試験と同じ時間に実施されるため、劉さんのヒアリングテストに影響が出ないようにと、教室の放送システムを遮断し、専門の試験官が操作するよう手配した。そして別のスタッフがその全ての過程を監督する。「試験前に、オーディオ機器4台を用意してテストし、劉さんにどの機器を使ってヒアリングテストを受けるか選んでもらった」のだという。
■「スポーツ観戦がきっかけで日本語が好きに」、日本で勉強すること約2年
8日午後5時20分、楽至呉仲良中学校の門の前で、黒縁メガネをかけて、おとなしそうな、落ち着いた雰囲気の劉さんに会い、高考や日本語について話していると、言葉の節々から自信を感じることができた。
数年前、日本語で解説されているスポーツの試合を見るのが好きであったことがきっかけで、日本語が好きになったという劉さんは、「特別な魅力がある。聞いているだけでとてもおもしろい」と話す。
接触することが増えるにつれて、劉さんは、日本で使われている漢字の偏や旁は、中国で使われている漢字から来ていることを知り、馴染みがあると感じ、日本語を勉強したいと思うようになった。そして、ネットを通して、教材「標準日本語」を買い、日本語の50音図から始め、計画を立てて、順を追って勉強するようになった。「勉強のために、日本で約2年暮らしたので、日本語のレベルがワンランク上がった」と劉さん。
学校には日本語専門の教師がいないため、劉さんは独学するしかなく、受験前には、過去の高考の日本語テストで実力を試すと、「だいたい140点以上」と、高得点で、ただ「点を落としたのは、主に作文だった」だったという。
劉さんによると、高考の日本語テストは選択問題と作文だけで、選択問題が計120点、作文が30点。「今年の問題はそれほど難しくなかった」という。
■日本語は専攻せずに師範大学目指す
日本語は好きであるものの、意外にも、劉さんは大学で日本語を専攻するつもりはないという。「普段は、ニュース・メディア業界を好んでいる。動画共有サイト・Bilibili(ビリビリ)の僕のアカウントには1万人以上のフォロワーがいる」と劉さん。
劉さんの第一志望は四川師範大学。ただ、「最終的には実際の成績を見なければならない。四川師範大学に行けたら一番うれしく、第一志望はメディア関連の学科」と話す。
また、目の前の夏休みの計画について、「綿陽市のある教育機関が日本語の先生を募集しているのを友達に聞いたので、そこでアルバイトしようと思っている」と話した。 (提供/人民網日本語版・編集/KN)
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