小島康誉 2020年7月18日(土) 16時20分
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筆者はシルクロード新疆の文化遺産の保護を重視し、調査費のほか保護協力費も提供していたので、調査の合間に文物保護についても度々話し合った。写真は左端が孫躍新博士、次が筆者、ニヤ遺跡にて。
「一帯一路」は経済の道・政治の道であると同時に、文化の道・協力の道でもある。日中共同で実践してきキジル千仏洞修復保存・ニヤ遺跡調査・ダンダンウイリク遺跡調査などで「一帯一路における歴史交流」の一端を具体的に明らかにしてきた。
例えばインドなどの影響を受けているキジル千仏洞壁画は東の敦煌などへ伝わり、ニヤ遺跡で発掘した「五星出東方利中国」錦は中原王朝との交流を示し、ダンダンウイリク遺跡で発掘した壁画は長安や奈良にまで影響を与えた。これら活動は「一帯一路」で協力してきた日中双方の実録である。拙著『中国新疆36年国際協力実録』(2018)に掲載した840点もの写真・資料が物語っている。
筆者はシルクロード新疆の文化遺産の保護を重視し、調査費のほか保護協力費も提供していたので、調査の合間に文物保護についても度々話し合った。人為的破壊を防ぎ、文化遺産を未来に伝えるには調査研究と同時に保護意識啓蒙が重要と一致した。
国家文物局(日本の文化庁相当)へも度々出かけ支持をいただき、ニヤ調査日本側隊員の孫躍新博士(京都大学・建築学)や周培彦夫人(北京大学・日本文化)らと諸準備、2000年12月15日人民大会堂で「中国歴史文化遺産保護網」開設式を行った。日中共同ニヤ遺跡調査名誉主席でもある鉄木尓・達瓦買提全人代副委員長(故人)にも臨席いただいた。張坤民国家環境保護局副局長、阮儀三同済大学教授らが出席した。
全くの公益性ネットである。文物保護研究に興味のある方が検索している。今日のネット時代を先取りした先駆的活動であった。現在ではネット開設はそれほど難しくないが、当時はまだ少なく苦労した。開設資金は筆者が提供したが、現在は孫・周夫妻の尽力により各種制限の中、運営されている。今こうしてレコチャに掲載させていただいている「一帯一路実践談」タイトル名も夫妻提案である。
孫・周夫妻とは今も頻繁に会っている。天津電視台の中国で活躍する外国人にスポットをあてた長寿番組「泊客中国」が筆者の新疆での国際協力を特集し「大愛無疆」「五星出東方利中国」「西域蒙娜麗莎」と2018年に3集放映したが、これも夫妻の紹介である。番組は好評で中国伝媒大学・天津大学・天津美術館に招かれ講演した。珍しい新疆の写真をPPTで紹介し、拍手が度々起きた。終了後にはサイン攻めにあった。縁はつながっている。ありがたいことである。
■筆者プロフィール:小島康誉
浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 <新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方> 書籍はこちら(amazon) 小島康誉氏コラム
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